本日、『R‐1グランプリ2023』(カンテレ・フジテレビ系)決勝が19時から放送される。21回目となる本大会では、8名の決勝進出者がチャンピオンの座を争う。

熱い戦いが期待される『R‐1』だが、昨年末にちょっと不名誉な形で話題になった。『M‐1グランプリ』2022年チャンピオンとなったウエストランドが、漫才内で「R‐1には夢がない」と言い放ったのだ。果たしてそれは本当なのだろうか。今回は、『R‐1』で夢をつかんだ芸人たちについて見ていこう。

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■2006年優勝・博多華丸博多華丸・大吉

 博多を中心に活動していた博多華丸・大吉。現在は、漫才やトークスキルの高さが全国的に認知され、NHK総合の『あさイチ』(毎週月曜~金曜8時15分)で朝の顔として幅広い世代から支持されている。
そんな華丸は、2006年の『R‐1』チャンピオンだ。この優勝をきっかけに全国的知名度を得たといえる華丸だが、その陰には相方の大吉の頭脳が。ネタのチョイスはすべて大吉が行っていたそうで、華丸は『R‐1』優勝賞金500万円を半分大吉に渡したという(さらに、半分は妻に渡したそう)。華丸は優勝当時のお財布事情について、「スッカラカン。貰った気がしなかった」と、千鳥とのレギュラー番組『華丸大吉&千鳥のテッパンいただきます!』(カンテレ・フジテレビ系)にて笑顔で語っていた。

■2012年準優勝・スギちゃん

 1994年デビューのスギちゃんは、2012年の『R‐1』で袖なし・短パンの上下Gジャン姿の“ワイルドスギちゃん”ネタで準優勝。
爆発的なブレイクを果たし、決めゼリフ「ワイルドだろぉ?」は同年に「新語・流行語大賞」の年間大賞に輝いた。飛ぶ鳥を落とす勢いの大活躍の中で、スギちゃんは大きな買い物も。『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)での企画で金色に輝く腕時計、ロレックスの「デイトナレパード」を648万円で購入したのだ。ちなみにこの時計、購入から約10年が経った今になって価値が大きく上がっているそう。昨年11月、『六本木フレンドパーク』(ABEMA)に出演したスギちゃんは「最後に(値段を)見たのはちょっと前」としつつ、現行価格は「2000万円」だと明かし、共演者を驚かせていた。

■2015年優勝・じゅんいちダビッドソン

 サッカー元日本代表・本田圭佑のものまねで、2015年の『R‐1』王者となったじゅんいちダビッドソン。
優勝当時、ものまねは本田本人には「完全非公認」だとしていたが、優勝者特番『じゅんいちダビッドソンのミラノで伸びシロ見つけました』(カンテレ・フジテレビ系)にて、じゅんいちは本田本人と対面を果たす。本田が当時所属していたACミランの本拠地、ミラノまで赴き、本田と会うという夢を叶えたじゅんいちだったが、肝心の“公認”をもらい忘れ、その後は“自称公認”となった。そんなじゅんいちと本田はその後も交流があるといい、現在も時折LINEで連絡を取り合う仲だということを『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系/毎週月曜~金曜13時55分)に出演した際に明かしていた。

月収100倍・ゲーム発売…『R‐1』で夢をつかんだ芸人はまだまだ他にも

■2016年優勝・ハリウッドザコシショウ

 地下ライブや『あらびき団』(TBS系)などで“知る人ぞ知る”存在だったピン芸人、ハリウッドザコシショウ。テンガロンハットとパンツのみを身に着けたほぼ裸のスタイルで、「誇張モノマネ」という“全然似ていないのに笑ってしまう”独特なネタを披露し2016年『R‐1』衝撃の優勝をさらった。優勝当時、42歳だったザコシショウ。
この年齢は『R‐1』史上最年長での優勝で、その記録はいまだ塗り替えられていない。『R‐1』で日の目を見るようになったザコシショウはその後、ダウンタウン松本人志に選ばれた芸人だけが出演することのできる“笑わせ合い”バトル『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』(Prime Video)にて2度の優勝を飾り、お茶の間からも芸人からもますますその実力を認められていく。そして独特すぎる芸風の遅咲き芸人は、2021年から『R‐1』の審査員を務めることに。新たなスターたちを導く存在となった。

■2017年優勝・アキラ100%

 全裸に股間をお盆で隠しただけという、文字通り“裸一貫”で2017年『R‐1』チャンピオンとなったアキラ100%。翌年の『R‐1ぐらんぷり2018』やります会見に登場した際は、優勝後「服を着る暇が無いほど」忙しくなったと語り、「優勝する前の月の給料が1万4千円でした。
優勝してその100倍とはいきませんがそのくらいはいくようになって……。本当にジャパニーズドリームでした」(※1)と、給料が約100倍になるという大ブレイクを果たしたことを明かしていた。また、学生時代は演劇に参加するなどもともと俳優志望だったというアキラ。『R‐1』で知名度が上がってからは、現在に至るまで定期的に話題のドラマや映画に出演するなど、芸人という枠にとどまらず夢を叶えている。

■2020年優勝・野田クリスタル(マヂカルラブリー

 『M‐1グランプリ』2020年王者のマヂカルラブリー。ボケ担当の野田クリスタルは『M‐1』優勝と同じ年、『R‐1』チャンピオンにも輝いている。
自作したゲーム“野田ゲー”をプレイしながら実況する、いわゆる“ゲーム実況”のスタイルで優勝した野田。この優勝を機に、それまでネタや番組のコーナー内で披露するにとどまっていた“野田ゲー”がどんどん本格的になっていく。2020年3月、さまざまな野田ゲーを詰め込んだNintendo Switch用ソフト「スーパー野田ゲーPARTY」の開発がスタート。翌年には実際に発売され、1週間で5万本を売り上げた。さらに2021年に吉本興業が新サービス「FANY GAMES」の発足を発表。この第1弾として、野田ゲー2本目となる「スーパー野田ゲーWORLD」の開発がスタートしたのだ。野田はFANY GAMESの“社長”(看板のようなポジション)に就任し、自身も開発に参加。『R‐1』優勝が、2本のゲームソフト発売につながるとは誰が予測しただろうか。

■2021・2022年準優勝・ZAZY

 金の長髪に上下ピンク色のど派手な衣装、大きな羽を背負って奇抜なフリップ芸を披露するZAZY。2021年・2022年と連続して『R‐1』準優勝という成績を残し、バラエティ番組やCMなどに起用されることが増えている。一度見たら忘れられないその見た目もさることながら、ZAZYが準優勝にしてここまで知られるようになったのには理由がある。それは、2022年優勝者のお見送り芸人しんいちとの奇妙な関係性。たった1票の差で優勝を逃したZAZYだったが、大会後もこの2人はなにかといがみ合っているのだ。この泥仕合の結果、優勝したしんいちだけでなくZAZYの知名度も大いにアップ。『R‐1』ドリームをつかんだ1人だといえるZAZYだが、『M‐1グランプリ』のウエストランドのネタに対しては「R-1もちょっとは夢あるよ」と自身のツイッター(@ZAZY06)で控えめな反論をして話題となっていた。

※1 アキラ100%、R-1トロフィー返還「服を着る間がないほど仕事」で月収100倍!? TVerPLUS