数多くの2世タレントが活躍する現在の芸能界。本日6月18日は「父の日」ということで、ここでは日本を代表する偉大な俳優を父にもつ人気芸能人たちについて、その近況や父子エピソードを交えて紹介していこう。



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■杏(父・渡辺謙

 10代の頃からファッション誌を中心にモデルとしての活動を展開し、2007年のドラマ『天国と地獄』(テレビ朝日系)で女優デビューを果たした杏。2013年の連続テレビ小説『ごちそうさん』でヒロインを演じ、主演ドラマ『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)は続編が制作されるなど、いまやドラマや映画に欠かせない存在に。

 そんな彼女の父親は、2000年代に入って世界進出も果たした俳優の渡辺謙。1987年放送の大河ドラマ『独眼竜政宗』(NHK総合)で主演を務め、一躍スターダムにのし上がったものの急性骨髄性白血病を発症。数年間にわたる闘病を経て復帰を遂げたという壮絶なエピソードも持っている。

 長く父娘共演が実現しなかった2人だが、杏の公式YouTubeチャンネル「杏/anne TOKYO」で2022年8月に配信された動画で初共演。
お互いに緊張しているのか、どこかぎこちなさも感じる言葉のやり取りがリアルな父娘の姿を感じさせた。この動画の中で、渡辺が「そろそろ行くんだよね? フランス」とつぶやいたのをきっかけに、杏はフランスへの移住を発表するというサプライズ展開も収められていた。

佐藤浩市(父・三國連太郎さん)

 1980年代のデビュー以降、演技派俳優として数多くの映画やテレビドラマに出演しているのが佐藤浩市だ。2002年に放送された大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合)では、源頼朝(大泉洋)に仕える武将・上総介こと上総広常を熱演。頼朝によって理不尽にも粛清され、壮絶な最期を迎える上総介の姿を描いたエピソードは、SNS上で「神回」と称えられた。

 佐藤の父は、日本映画の黄金時代と言われる1950年代にデビューし、端正なマスクと得難い存在感で話題作に出演し続けた三國連太郎さん。
結婚を4度経験したという三國さんにとって、佐藤は3番目の妻との間に生まれた息子。3番目の妻とは佐藤が12歳の頃に離婚したとのこと。

 そんな2人が初めて本格共演を話したのは、同名の人気グルメコミックを実写映画化した『美味しんぼ』。会見に並んで出席した2人だったが、互いに「三國さん」「佐藤さん」と他人行儀に呼び合い、三國さんが語った“俳優論”に佐藤が即座に反論する姿などが取り沙汰された。

 佐藤は2022年5月に放送された『日曜日の初耳学』(MBS・TBS系/毎週日曜22時)の中で当時を振り返り、三國さんとは互いに親子共演のハードルを上げていたと述懐。後輩の2世俳優に対しては親子共演について「“後で後悔するからやっといたほうがいいぞ一緒に”ということは言っている」とアドバイスしていることも明かしていた。


安藤サクラ(父・奥田瑛二

 今年の1月期ドラマとして放送された主演作『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)が高い評価を集め、現在公開中の主演映画『怪物』が、第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィア・パルム賞を獲得するなど、女優として絶好調な安藤サクラ。

 安藤の父親は、俳優や映画監督、画家としても活躍する奥田瑛二。現在放送中の連続テレビ小説『らんまん』では、火消しから印刷所を立ち上げた大畑義平役で、気風の良い江戸っ子を熱演中だ。

 奥田が監督を務める映画に安藤が出演することも多く、親子でのコラボレーションが多い2人。近年では安藤が主演を務めた2019年放送の連続テレビ小説『まんぷく』(NHK総合)に、奥田が衆議院議員役で登場している。

 また安藤は、今年1月に自身のツイッターで奥田からきたLINEの一部を公開。
メッセージの中で奥田は「地下鉄 銀座線」とだけ書かれていて、添えられていた写真には、東京メトロ銀座線の車内で見かけた『ブラッシュアップライフ』ポスターが収められている。さらに安藤は奥田のプライベートショットを公開するなど、父娘の仲の良さが伝わってくる。

兄弟俳優3組の“偉大な父”とのエピソードも!

新田真剣佑眞栄田郷敦(父・千葉真一さん)

 現在放送中の大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合)では、武田信玄(阿部寛)の意思を継いで武田軍を率いる武田勝頼を演じている眞栄田郷敦と、彼の兄で4月公開のハリウッド映画『聖闘士星矢 The Beginning』で主演を務めた新田真剣佑。

 アクションもこなす2人の父親は、2021年8月に亡くなった日本を代表するアクションスターの千葉真一さん。1960年に俳優デビューを果たした千葉さんは、危険なアクションシーンも自ら演じることで注目を集め、1970年にはアクションがこなせる俳優やスタントマン育成のためにジャパンアクションクラブを創設。さらに1970年代に継続して出演していた格闘技をモチーフにしたアクション映画はアメリカをはじめとした海外でも公開され、国際的にはSonny Chibaの名前でも知られている。


 輝かしい経歴を誇る俳優を父に持つ新田と眞栄田は、千葉さんの死からおよそ1年半後、父の誕生日にそろって結婚を報告。2人共千葉さんには生前、パートナーを紹介済みで、共に食事にも出かけていたと明かしている。

松田龍平松田翔太(父・松田優作さん)

 主演ドラマ『0.5の男』(WOWOW)が放送中の松田龍平は、大島渚監督から直接要請され1999年公開の映画『御法度』で映画初出演にして初主演という華々しいデビューを果たしたという逸話の持ち主。また彼の弟・松田翔平は、2005年に俳優デビューし翌年放送のドラマ『花より男子』(TBS系)に出演しブレイクした。

 松田兄弟の父は、1989年に40歳の若さでこの世を去った松田優作さん。優作さんは1973年に刑事ドラマ『太陽にほえろ!』(日本テレビ系)で若手刑事役に抜てきされ注目を集めると、1970年代後半からは長身を活かしたスタイリッシュなアクションで日本映画界を席巻。
その後、テレビドラマ『探偵物語』(日本テレビ系)の大ヒットを経て、1989年にはリドリー・スコット監督『ブラック・レイン』でハリウッド映画に初出演した。

 1989年11月、ガンによって急逝した優作さん。当時龍平は6歳だったそうで、2021年放送の『A‐Studio+』(TBS系/毎週金曜23時)の中で、父との記憶について“何となく”残っているとコメント。またカラオケでは優作さんの曲を披露することもあると明かしていた。また翔平は2021年の優作さんの三十三回忌法要の際に、優作さんを偲ぶコメントをインスタグラムに投稿している。

柄本佑柄本時生(父・柄本明

 2024年放送予定の大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)で藤原道長を演じることが決定している柄本佑。高校在学中にオーディションを受けて黒木和雄監督の映画『美しい夏キリシマ』で主演デビューを果たした。彼の弟・柄本時生は、佑が受けられなかったオーディションを受けに行ったことから俳優デビューを決め、以降は映画、ドラマ、舞台など幅広いフィールドで活躍する人気俳優へと成長している。

 兄弟で演劇ユニットを結成している佑・時生兄弟の父は、1976年に旗揚げされた「劇団東京乾電池」で座長を務めている柄本明。舞台公演と並行して映像作品に出演し、時にはバラエティ番組で時事コントを披露するなど、多岐(き)にわたる活動を展開。98年公開の主演映画『カンゾー先生』では数々の映画賞を受賞するなど日本の映画やテレビドラマ、演劇界になくてはならない存在として認知されている。

 佑・時生は父・明との共演について、2019年公開の映画の舞台あいさつの中で語っている。兄・佑が語ったのは、父が演じた役柄の青年期を演じたウェブドラマ『プラットホーム』でのエピソード。佑ふんする青年期のキャラクターが、明演じる60歳になった自分に語りかけるという幻想的なシーンの撮影では、長ゼリフを話す佑の前で、明が身体をよじらせて笑っていたという。佑はこの時の父について「嫌な奴だなと思いましたね」と言い放っていた。

 一方の時生は、ドラマで親子役を演じた際のことを振り返った。撮影中は明が監督と違う指示を出してくることに困ったそうで、「監督が言ってくる言葉より、うちのおやじが言ってくる言葉のほうが怖い」と笑いを交えつつ親子共演を語った。

引用:「安藤サクラ」ツイッター(@sakura_ando)