18年間に渡り連載され、昨年完結した人気コミック『頭文字D』が、『新劇場版「頭文字D」Legend1-覚醒-』となってスクリーンに帰ってきた! これまでのアニメシリーズからは、映像もキャストも一新。主人公・藤原拓海宮野真守、高橋兄弟の弟・啓介に中村悠一、そして兄・涼介に小野大輔という魅力的な声優が勢ぞろいした。


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 数々の代表作を持つ3人だが『頭文字D』という作品へ参加することには様々な思いがあるという。宮野は「歴史のある、有名な作品に参加させていただき、驚きと共に大きなプレッシャーがありましたが」と心情を吐露したが、一方で「誠心誠意僕にできることを作品に込めました」と前向きだ。

 中村も「1ファンとして原作やテレビアニメを楽しんでいたので、自分がこの作品に携われるんだという実感がなかなかわかなかったのですが、収録のときから『新しいものを作ろう』という姿勢や意志が感じられたので、身が引き締まりました」と語ると、小野も「僕ら青春時代の伝説的な作品。オーディションを受けるにあたって、改めて作品を読みましたが、男の子の“好き”が詰まっていて激熱です。その熱量を作品に込めました」と高橋兄弟も「新劇場版」への想いは熱い。

 そんな熱量が詰まった本作。出来上がった作品を見た宮野は「実際のサーキットで音を収録したり、CGの格好いいドライビングなど、携わっている人間でも圧倒される出来でした」と舌を巻くと、中村も「アフレコ時に想像していたものをはるかに超えていました。最初に出来上がったものを見るときって、自分の芝居がマッチしているかなどを確認してしまうのですが、レースシーンになると、そんなことも忘れて映像に引き込まれているんですよね。それって作品として成功しているんじゃないかな」と分析。さらに小野は「レースシーンはもちろんですが、それ以外の日常にある人間関係もちゃんと描かれているなって思ったんです」と追随する。 人間関係と言えば、宮野、中村、小野は、様々な作品で共演しているが、本作での関係性をどのように捉えているのだろうか。特に中村と小野は血の繋がった兄弟役だ。
中村は「宮野君は一時期絡む役が多くて、よくバトルしていたので、この関係性は安心できるのですが、小野さんとは共演は多いのですが、こんなに関係性の強い役で共演するのは、あまり記憶にないですね」と語ると、小野は「役者としてのアプローチの仕方は違うけれど、単純に言うと、音域が被るじゃない。だから近い役があまりなかったのかもしれないね」と同調。

 だからこそ中村は「ある意味とても貴重ですよね。この関係は大事にしたいです」と照れつつも胸の内を明かすと、小野も「彼とは若い頃から、番組のレギュラーをやっていたりして、一緒に育ってきた感じがするので、時を経てキャリアを積んでから、こうやって大きな作品で兄弟役をやれるのは、運命的なものを感じますね」と感慨深そうに語ってくれた。

 原作ファン、キャストファンともにワクワクするような白熱のカーレースシーンや、たぎるような人間ドラマが展開される本作。「自信を持ってお届けできるエンターテインメント作品に仕上がっています」と宮野が全方位で楽しめることを強調すると、中村も「(車がテーマなので)敷居が高いように見えて、間口が広い作品。原作ファンもそうでない人もぜひ1回見て欲しい」と力強く作品をアピールしてくれた。(取材・文:才谷りょう)

 『新劇場版「頭文字D」 Legend1-覚醒-』は8月23日より全国公開。
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