落語家の三遊亭竜楽が15日、都内で「三遊亭竜楽師匠 文化庁長官表彰と芸歴四十周年を祝う集い」を行った。

 文化庁長官表彰の知らせには「(現在67歳で)70代からもらえる賞だと思ったし、大きい団体にも所属していない。

テレビで売れているわけでない」と驚き。一方で受賞を機に「やる気が出てきて、責任も感じた。歩みを止めてはいけない、これからがスタートだと思った」と背筋を伸ばす。

 2008年からは海外でも活動している。きっかけはイタリア・フィレンツェでの公演で「予算の関係で字幕がつけられないとなって、1か月で(落語に必要な)イタリア語を丸暗記した」と回想。続いて訪れたフランスでも手応えをつかみ、現在までに7か国65都市を巡った。

 日本と海外では文化が異なる。万国共通でウケるネタは「世界中どこでも起こりうることを扱った演目。お酒の話だったらみんなわかるから、一番ウケるのは『親子酒』。『長短』、『ちりとてちん』も」と紹介。「創造力を刺激する演目をやることが、文化の壁を乗り越えるのに一番必要。参考にしているのは、ろうあ者の人の落語」と大切にしていることも明かした。

 海外で落語を伝えることは、簡単ではなかった。活動を始めた当初、イタリアで一日中チラシを配り続けても落語を知っている人はわずか2人。それでも落語漫画「あかね噺」が転機となり「世界中で落語のブームが起きている。漫画の力がこじあけた」と実感しているという。昨今のインバウンド需要も大きな追い風だ。

 今後に向けては「日本で落語の世界大会やってもいいんじゃないか。(柔道を世界に広めた)嘉納治五郎の精神で。落語世界大会をやるべきだと思っている」とコメント。「世界に日本の文化が発信されていくのはうれしいこと」と期待し「古典落語の技量を磨き続けていきたい。今まで行ったところのない世界に飛び込んでみたい。魅力を隅々まで伝えていきたい」と意気込んだ。

 〇…2009年に亡くなった師匠・5代目三遊亭円楽さんにも言及。

受賞には「ものすごく喜んでくれていると思う」と話し、海外での活動は「人のことやらないことやれという師匠だったから、最も喜んでいた。(自分のいないところなど)関係ないところで話してくれた」と回想。訃報(ふほう)を知ったのは海外滞在中で、葬儀には参列できなかったが「海外に行くときは必ず師匠の写真を持って、一緒に写真を撮ったりする」と今でも共に歩んでいるという。

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