中川家×やすとも30年の絆を真剣トーク!暗黒時代を激白 | TVer

 24日放送の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)で、審査員の降板が発表されている立川志らくの後任に、海原やすよ ともこ(以下、やすとも)のともこが就任すると報じられている。

 公式発表は17日だというが、ネット上では早くも大きな話題になっているようだ。

 ともこといえば、同じく審査員を務める中川家・礼二と同期で親交も深く、礼二が『M-1』後にともこに電話をかけて、“答え合わせ”をしているというエピソードもたびたび明かされている。

 ともに漫才一筋で30年のキャリアを誇り、ともに兄弟・姉妹コンビで、2020年にはそろってNGKの看板にも就任した。こうした背景を知るお笑いファンから、今回のともこの審査員就任は「礼二が2人になるだけでは?」との声も聞こえてくる。確かに、似たようなキャリアを積んできた漫才師が、似たような審査基準になると言われれば、そういう見方もあるのかもしれない。あまりにも、ともこに失礼な見方ではあるが。

 ここでは失礼ついでに、志らくの代わりに礼二がもう1人いたら『M-1』の結果がどうなっていたのか検証してみたい。

昼下がりのお遊びである。真面目に受け取らないでほしい。

■2018年

『M-1グランプリ』審査員、海原ともこ就任報道に「中川家・礼二が2人になるだけ」の声

霜降り明星が彗星のごとく現れ、優勝をさらった18年。審査員初登場の志らくはジャルジャルの「ゼンチン」ネタに99点、トム・ブラウンに97点をつけ、最高点と最低点の差も14点と、かなり特異な採点を行っている。

だが、実際に志らくと「2人目の礼二」を入れ替えてみても、順位に変動はなし。3位ジャルジャルと4位ミキが同点で並ぶが、「高い得点を付けた審査員が多い方」という規定に沿えばジャルジャルの勝ち上がりで変更はない。

ちなみに、志らくが審査員を務めた5年間、最終決戦では礼二と志らくがすべて同じコンビに投票しているので、結果は変わらない。

■2019年

『M-1グランプリ』審査員、海原ともこ就任報道に「中川家・礼二が2人になるだけ」の声

文句なし、圧倒的ににミルクボーイだった19年。松本人志の1番手ニューヨーク82点、2番手かまいたち95点というジャンプアップが目立つが、この年も志らくと「2人目の礼二」を入れ替えたことによる順位の変動はない。

志らくと礼二の直接的な比較を見ると、オズワルドに「志らく89/礼二94」、インディアンスに「志らく87/礼二92」と、礼二は正統派のしゃべくりスタイルに高い評価を与えている傾向が見えてくる。

■2020年

『M-1グランプリ』審査員、海原ともこ就任報道に「中川家・礼二が2人になるだけ」の声

ファーストステージを1位で突破したピン芸人ユニット・おいでやすこがを、マヂカルラブリーの「吊り革」がファイナルでまくった2020年。こちらも上位3組に変動はない。

マヂカルラブリーに「志らく90/礼二96」という得点が意外にも思えるが、マヂラブがファーストで披露したフレンチはどちらかといえばオーソドックスな漫才コント。志らくには凡庸なネタに映り、ボケの質が礼二にはハマったということかもしれない。

■2021年

『M-1グランプリ』審査員、海原ともこ就任報道に「中川家・礼二が2人になるだけ」の声

ファーストステージ途中で、誰もがオズワルドの優勝を確信した2021年。ファイナルで錦鯉が逆転したが、どちらかというと「オズがコケた」という見方が正しいだろう。おかげで大感激のおじさん物語を目の当たりにすることができたわけだが。

こちらも上位に変動はないが、錦鯉に「志らく90/礼二96」と大きな差が出ている。若いファンには新鮮に映る錦鯉の漫才は、実は極めてクラシカルなスタイル。改革者を求める志らくには刺さらなかったということだろう。ランジャタイに96点を与えて「志らくここにあり」を示したのもこの年だった。

上沼さんのハライチ98点は、よくわからない。

■2022年

『M-1グランプリ』審査員、海原ともこ就任報道に「中川家・礼二が2人になるだけ」の声

ファーストステージ途中で、誰もがさや香の優勝を確信した2022年。志らくが自己最高の98点を入れたウエストランドが最終3組に滑り込み、その勢いのまま頂点に上り詰めている。

この年はヨネダ2000に「志らく97/礼二90」と大きな差が出ているが、「2人目の礼二」に入れ替えても順位に変動はなかった。そのほか、2人の採点に大きな差はなく、順当な採点となっている。それにしても邦ちゃん、カベポスター84点ですか……。

 * * *

 アバンギャルドな審査で『M-1』をかき回していたと感じていた志らくの代わりに「2人目の礼二」が入ったら、結果が大きく変わるのではないか。そう思って始めた企画だが、上位3組、優勝コンビに変動はなし。

 結局のところ、ちゃんとした人が7人も揃えば、1人入れ替わったくらいで結果がどうこうなるわけではないのだろう。

 なんだか、安心した検証結果だった。ともこ姉さんの審査とコメントも楽しみにしたい。

(文=新越谷ノリヲ)