韓国の国家安保戦略研究院(INSS)は14日、北朝鮮の為替と物価の急騰に関する分析報告を発表し、2026年1~3月期に北朝鮮ウォンに対し米ドルが約377%上昇したと指摘した。つまりは北朝鮮通貨の価値が約5分の1(約79%下落)となったということだ。
報告をまとめたイム・スホ研究委員によると、同期間にコメやトウモロコシ、豚肉、ガソリンなどの価格はいずれも大幅に上昇した。為替の下落と物価高が同時進行する典型的なインフレ局面にあると分析している。
その背景として報告は、近年の北朝鮮当局による大幅な名目賃金の引き上げや、「地方発展20×10政策」に代表される大型建設事業の推進を挙げる。これにより市中の通貨供給量が急増し、外貨や食料といった実物資産への需要が膨らんだ結果、為替と物価の双方に上昇圧力がかかったとみている。
また、北朝鮮経済においては外貨、とりわけ米ドルや人民元が依然として市場取引の基準となっており、ウォンへの信認が低下する中で「ドル化」に近い現象が進行している可能性も示唆される。こうした状況は、2002年の経済管理改善措置や2009年の貨幣交換後に見られた物価・為替の不安定化と並ぶ、長期的な上昇局面の一つと位置付けられるという。
もっとも、今回の為替下落をそのまま通貨価値の実力低下とみなすには慎重な見方も必要だ。北朝鮮の為替レートは銀行間市場ではなく、いわゆる闇両替を含む現金取引に依存して形成される。このため、外貨の需給は電子的な資金移動ではなく、現金紙幣の流通量に大きく左右される。
特に新型コロナウイルス禍に伴う国境封鎖以降、外貨紙幣の流入が細り、市場で流通する現金ドルや人民元の「在庫」が不足している可能性が指摘されている。こうした状況では、実体経済の変化以上に外貨現金にプレミアムが付き、為替レートが過度に上昇する現象が生じ得る。
北朝鮮においては外貨を用いたオンライン決済や銀行間取引の仕組みが未発達であるため、外貨は事実上「紙幣そのもの」として流通している。結果として、その物理的な供給制約が価格形成に直接影響を及ぼす構造となっている。
INSSの報告は、通貨供給の拡大と需要の変化というマクロ的要因から現状を説明するものであり、全体像を把握する上で有力な分析といえる。ただし、北朝鮮特有の市場構造を踏まえれば、為替の急変にはこうした「紙幣在庫」という定量化が難しい要素が影響している可能性にも留意する必要がある。








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