◆第86回皐月賞・G1(4月19日、中山競馬場・芝2000メートル)追い切り=4月15日、美浦トレセン

 「一段階上がっていますね。抜群でした」。

追い切り直後の津村騎手のトーンが全てを物語っていた。リアライズシリウス(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎、父ポエティックフレア)は、Wコースでレッドアトレーヴ(5歳3勝クラス)を1馬身半追走。集中力十分に最後の直線に向くと、手応えの差は歴然。追って必死に食らいつく僚馬に対し、手綱は全く動かないまま抜群の推進力を見せ、1馬身突き抜けてフィニッシュした。

 1週前はWコースでびっしり追われて5ハロン65秒6と自己ベストを更新し、この日は余力たっぷりに66秒3。ラスト1ハロンも11秒1とさすがの脚力を披露。3週連続またがった主戦だけでなく、手塚久調教師も「先週に比べて鋭さが加わっているように感じました」とさらなる上昇を伝えた。

 3冠初戦は大本命不在の様相だが、新潟2歳S、前走の共同通信杯を制し、メンバー唯一の重賞2勝を挙げる。全3勝は左回りで、さらに初の2000メートル、初の中山と乗り越えるべきハードルは決して低くないが、鞍上は「追い切りを見ても分かる通り、右回りは全然大丈夫」と意に介さず。トレーナーも「体型や性格というのを考えると、私自身は大丈夫だと思っています」と強調した。

 課題のゲートも大きな成長を遂げた。新潟2歳Sこそ出遅れながら勝利したものの、朝日杯FSは5着敗戦。

結果的に仕上がり途上だったことを差し引いても、スタートでの遅れが着順に影響したことは否めない。しかし、前走時には精神面が大きく成長。五分に発馬を決めたことが最後のひと押しにつながり、頭差での勝利につながった。

 津村騎手は「共同通信杯の何週間か前から結構入念に練習した成果が出てきた。本当にゲートも含めてメンタル面はすごく大人になってきた感じ」。今年重賞4勝と絶好調の鞍上がデビュー戦からともに積み上げてきたものを、フルに引き出す。(石行 佑介)

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