北朝鮮の地方権力中枢で、外貨利権をめぐる内部抗争が表面化した。平安南道の人民委員会に所属する幹部5人が汚職などの罪で事実上の粛清にあたる「革命化」処分を受け、強制労働施設に送られたとされる。
利権を巡る告発合戦が引き金となった可能性が高く、体制内部の緊張が改めて浮き彫りになった。 複数の北朝鮮内部情報に詳しい関係者によると、処分を受けたのは同委員会外事局の幹部2人と、これに関与した貿易局幹部3人。国家の外貨資金を私的に流用したほか、部下に対する賄賂上納の強要、虚偽報告など複数の不正行為が問題視された。 今回の事件は、外貨稼ぎ事業の運営と収益分配を巡る外事局内部の対立が発端とされる。対立関係にあった一派が、相手側の不正を詳細に記録し、道の安全機関に告発したことで発覚した。調査当局は事実関係を精査した結果、計8項目に及ぶ違反行為を認定したという。 適用された罪状には、外貨資金の私的流用や横領のほか、「党政策の執行怠慢」「派閥形成」「資本主義的生活様式の流入」など、政治的色彩の濃い項目も含まれており、単なる経済犯罪にとどまらない「思想・規律問題」として処理された形だ。 処分を受けた5人は中央の指示により無期限の革命化措置となったと伝えられる。北朝鮮での「革命化」は事実上の強制労働を伴う再教育措置であり、幹部にとっては失脚を意味する。 今回の措置について、関係者は「第9回党大会以降、経済分野の腐敗構造を一掃するという当局の意図が明確に示された」と指摘。「思想と規律の引き締めが、現場レベルで厳格に適用されていることを示す象徴的事例だ」との見方を示した。 ただ、当局は今回の問題を一部幹部の逸脱行為にとどまらない「構造的腐敗」と位置付けており、関連部門に対する追加調査も継続しているとされる。
このため、外事局や貿易部門の幹部の間では「次は自分が標的になるのではないか」との不安が急速に広がっている。
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