—塩素系樹脂を使わないPVCフリーインキ、独・Interpackへ出展—

DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:池田尚志、以下「DIC」)は、塩素系樹脂を使わないPVCフリーインキ「SHIOLESS®」のグローバル展開を強化します。2026年5月7日~13日にドイツ・デュッセルドルフで開催される包装業界の国際展示会「Interpack」に出展し、海外顧客の開拓を加速します。
包装用ラミネート向けのグラビアインキである「SHIOLESS」は、PVCフリー設計により、再生材の品質低下や設備負荷を抑制し、パッケージのリサイクル性向上に貢献します。今回の出展を通じて、DICは印刷工程からサーキュラーエコノミーの実現を支える提案を海外市場に訴求します。

近年、欧州を中心に包装廃棄物規制の強化が進み、パッケージの「リサイクルしやすさ」を考慮した設計が世界的に求められています。欧州で本格化している包装・包装廃棄物規制(Packaging and Packaging Waste Regulation:PPWR)*¹では、2030年までにEU市場に流通するすべての包装を「経済的にリサイクル可能」とすることが求められています。そのため、素材構成に加え、印刷インキや添加剤を含むパッケージ構成要素についても、リサイクル工程や再生材品質への影響を踏まえた設計が重要となっています。その結果、ブランドオーナーのみならず、包装材料メーカー、印刷・加工メーカー、印刷インキメーカーなど、サプライチェーン全体で連携した環境対応が不可欠となっています。

こうした流れの中で、包装材料のリサイクル工程では、使用されるインキの成分が再生プラスチックの品質に影響を与えることが課題として指摘されています。特に、従来の汎用インキに含まれる塩素系樹脂は、リサイクル工程において再生ペレットの着色や透明性の低下を引き起こす要因の一つとされており、再生ペレットの用途や価値を制限する可能性があります。そのため、印刷品質や印刷現場での作業性を維持しながら、リサイクル工程への影響を抑えたインキ設計が求められています。

こうした課題に対応するため、DICは「リサイクル工程まで配慮した材料設計」、「印刷現場での使いやすさと安定した品質の両立」、「グローバルブランドオーナーが推進するサステナビリティ要求への対応」をコンセプトにPVCフリーインキ「SHIOLESS」を開発しました。「SHIOLESS」は、従来の汎用インキと同等以上の印刷品質とラミネート性能を維持しながら、プラスチック包装のマテリアルリサイクル工程で課題となる着色や品質低下に配慮した設計を採用しています。

■バージンポリエチレンペレットと、SHIOLESSまたは通常のグラビアインキを含むリサイクルペレット*2との比較写真

[画像1]https://digitalpr.jp/simg/2629/133639/700_300_2026042220064669e8abc6a392b.jpg


「SHIOLESS」は、溶剤型の裏刷りラミネート用途グラビアインキです。
PVCフリー設計により良好なマテリアルリサイクル適性を備えた本製品は、オレフィン系モノマテリアル包材への展開にも適しています。加えて、量産印刷現場においても安定した品質を維持しており、各種フィルムで良好なラミネート強度を発揮します。さらに、食品包材で求められる各種法規制や業界ガイドラインにも配慮した設計です。

本製品のインキ処方は、塩素系樹脂のみならず、硝化綿(NC)も使用しないPVC/NCフリー設計です。このようなリサイクルを考慮した樹脂選定は、CEFLEXのD4ACEガイドライン*3に示されるフレキシブル包装の循環性向上に向けた塩素系材料回避の設計思想と整合しています。また、NCフリー設計を含め、RecyClassのDesign for Recyclingガイドライン*4において示されている、PEおよびPP系フレキシブル包装向けインキ要件にも適合可能です。

「SHIOLESS」はテストマーケティングを経て、アジア地域で販売し、実績を積み重ねてきました。今回、環境配慮やリサイクルへの関心が高い欧州市場において、国際展示会への出展を通じた提案を皮切りにグローバル展開を本格化します。

DICグループは長期経営計画「DIC Vision 2030」において、パッケージ&グラフィック事業部門の基本戦略として、サステナブルパッケージ製品の開発と展開の加速を中核とした事業拡大を掲げています。世界的に環境配慮型パッケージへの需要が高まる中、循環型社会の実現に向けたソリューション提供を重要な成長ドライバーと位置づけています。インキ設計における長年の知見と技術力を活かし、今後も顧客や社会課題の解決に貢献する製品・ソリューションの開発と拡販を加速します。

【注記】昨今の原料調達環境の悪化により、製品サンプルの提供については一部制限が生じる場合があります。


*1 包装材の削減・再利用・リサイクルを義務化し、環境負荷を下げることを目的としたEU全域共通の規則
*2 インキ樹脂自体のリサイクル性の違いを示すため、顔料の含有していないメジュームインキ(透明なインキ)を用いて比較
*3 CEFLEXが定めたフレキシブル包装を循環型経済に適合させるための「設計(Design)」に関する実践的指針を示したガイドライン
*4 RecyClassが定めたプラスチック包装が実際に高品質リサイクルできるよう、材料構成・配合・設計上の適合性を評価・指針化したEU主導の基準

<展示会概要>
名称:Interpack 2026
期間:2026年5月7日(木)~5月13日(水)
会場:デュッセルドルフ見本市会場(ドイツ・デュッセルドルフ)
主催:Messe Düsseldorf GmbH
Sun Chemical & DICブース:Hall 7a / Stand B03
公式サイト:https://www.interpack.com/
出展情報ページ:https://www.interpack.com/vis/v1/en/exhibitors/interpack2026.3007045

‐DIC株式会社について
DICは日本で有数のファインケミカルメーカーです。DICを中心に世界全体でSun Chemical Corporationを含む約170の子会社によってグループが構成され、60を超える国と地域で事業を展開しています。グループ全体として、人々の生活に欠かせない包装材料、テレビやPC等のディスプレイに代表される表示材料、スマートフォンなどのデジタル機器や自動車に使用される高機能材料を提供するグローバルリーディングカンパニーと認知されています。これらの製品を通じて、社会に安全・安心、彩りと快適を提供しています。DICグループは持続可能な社会を実現するため、社会変革に対応した製品や社会課題の解決に貢献する製品の開発にグループ一丸で取り組んでいます。連結売上高1兆円を超え、世界全体で2.1万人以上の従業員を有するなか、DICグループはグローバルで様々なお客様に寄り添っていきます。詳しい情報は、https://www.dic-global.com/
 をご覧下さい。


[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2629/133639/150_78_2025091008500268c0bd2a94d7c.png


本件に関するお問合わせ先
DIC株式会社 プリンティングマテリアル事業本部
printing-material@ma.dic.co.jp

関連リンク
製品情報ページ
https://www.dic-global.com/ja/event/packaging/ink/08.html
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