データとAIのリーディング・カンパニーである米国SAS Institute Inc.(以下、SAS)は、SAS Innovate 2026にて、量子AIに関するグローバルの最新調査結果と、新製品「SAS Quantum Lab」のプレビューを発表しました。量子ハードウェアを支えるサプライチェーンが安定してきている中、多くの専門家が、2030年代初頭にはこの新興技術が普及し、量産体制が整うであろうと予測しています。
既存の量子ハードウェアでの機械学習アルゴリズムの実行を伴う強力なアプローチとしての量子AI( https://www.sas.com/ja_jp/insights/analytics/quantum-ai.html
)の時代に突入しようとしています。実際、量子AIの応用により、何時間もかかるようなタスクを数分で完了できるようになったり、既存のハードウェアでは実現不可能とされていた問題を解決できるようになると期待されています。また、より少ないデータで効率的に学習できるようにモデルを調整できたり、時間の経過に伴い安定性が増したりといった、さまざまなメリットが見込まれています。
では、これほど期待が高いにもかかわらず、なぜ多くの組織が投資の拡大に踏み切れずにいるのでしょう?
SASは、さまざまな業界のグローバルリーダー500人以上を対象に、量子AIに関する調査を行いました。2025年に実施した1回目の調査では、導入を妨げる最大の障壁として高額な導入コストが挙げられ、次いで多かったのが理解や知識の不足でした。2026年になって、調査結果に変化が生じています。
2026年現在、量子AIの導入を妨げている最大の障壁とは何か?
2026年に量子AIの導入を妨げている最大の障壁として、以下のような回答が得られています。
現実的かつ実用的な用途の不確実性
導入コストが高額
熟練した人材の不足
知識や理解の不足
量子AIソリューションの入手が困難
明確な規制ガイドラインの欠如
量子AIとは何で、組織はなぜこの技術を使いたがるのか?
SASは、従来型コンピューティングと量子コンピューティングを連続したスペクトラムとして捉えています。一端には実績ある従来型コンピューティングがあり、もう一端には実験段階ではあるもののはるかに強力な量子コンピューティングが存在します。産業およびビジネス上の問題の多くが、スペクトルの中間あたりに位置しており、ハイブリッドなアプローチがワークロードを分担する形となっています。つまり、量子処理と従来型処理がそれぞれ得意とする役割を担います。
SASの主席量子アーキテクトのビル・ウィソツキー(Bill Wisotsky)は、次のように述べています。「量子技術の成熟に備え、あらゆる規模の組織が知的財産――つまり、量子AIに対する特許取得済みの独自の手法の開発に躍起になっています。相変わらず強い関心が寄せられている一方で、当然のことながらリーダーたちは慎重な姿勢を崩しておらず、有益なユースケースや問題解決につながるかどうかわからない量子への高額投資に全力を注ぐことに躊躇しています」
「SASは、誰もが量子技術に取り組める環境を整えることに尽力しつつ、今日の現実的なユースケースを確立し、お客様が将来的に量子技術の恩恵を受けられるようにしていきます」
量子経済に向けてお客様はどう備えればいいのか?
SASの量子製品戦略責任者であるエイミー・スタウト(Amy Stout)は、次のように述べています。「SASの専門家たちがすでに市場で目にしていたことが、今回の調査によって明らかになりました。それは、リーダーたちは量子技術の使用に意欲的ではあるものの、参入を阻む障壁が高すぎるということ、そしてソリューションが必要であるということです。実際の投資利益率(ROI)を得るための学びとイノベーションを生み出す実践的な環境である、SAS Quantum Labのプレビューを行えることを大変嬉しく思います」
SAS Quantum Labとは何か?
SAS Quantum Labは量子AIの旅の出発点となるものであり、第4四半期にSAS Viyaをご利用のお客様に向けて提供を開始する予定です。量子の専門家の既存の研究を補完するとともに、量子物理学者ではないものの、自身のアイデアを探求、テスト、検証したいと考えているユーザーを支援することを目的としています。SAS Quantum Labによって、量子AIの研究コストが大幅に削減され、誤ったシグナルを回避しつつ、この強力なテクノロジーの研究を効率的かつ確実に行えるようになります。
現在、設計が進められているところであり、以下の機能が含まれる予定です。
業界ユースケースに関して、従来型、量子型、ハイブリッド型の結果を比較対照する機能:ビジネスの課題に合った、最適なソリューションを推奨
パフォーマンス向上機能:現時点のテストで、100倍以上の高速化と99%のコスト削減が可能に
仮想量子AIチューター:質問への回答、サンプルコードの提供、次のステップの提案を行うことで、学習を支援
量子AIで何が可能になるのか?
調査の最後に、現在量子技術に取り組んでいる場合、どのようなユースケースを望んでいるのか、あるいはどういったビジネス上の問題を解決したいのかという質問に、自由記述式で回答を求めました。その結果、以下のような回答が得られました。
金融サービスの不正検出システムの精度を高め、複雑な取引パターンを効率的に識別
5Gネットワークパスのトラフィックをリアルタイムで最適化
新薬候補の分子シミュレーションと創薬プロセスを高速化
サプライチェーンの流通、および物流問題の解決
顧客行動の予測モデリングにフォーカスし、機械学習のワークフローを改善
大規模言語モデルに自然言語処理タスクを学習させ、モデル最適化にかかる時間とリソースを削減
ウィソツキーは、さらにこう述べています。
*2026年4月28日に米国SAS Institute Inc.より発表されたプレスリリース( https://www.sas.com/en_us/news/press-releases/2026/april/quantum-lab.html
)の抄訳です。本プレスリリースの正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語を優先します。
SASについて
SASはデータとAIのリーディング・カンパニーです。SASの革新的なソフトウェアと業界特化型のソリューションが、世界中のお客様にデータを信頼できる意志決定に変換するパワーを届けています。SASは「The Power to Know®(知る力)」をお届けします。
*SASとその他の製品は米国とその他の国における米国SAS Institute Inc.の商標または登録商標です。その他の会社名ならびに製品名は、各社の商標または登録商標です。