人間も衣替えをする5月頃から夏までは猫の抜け毛の季節。庭にごっそり毛が落ちていることもあるし、とある経緯から我が家で可愛がっている半野良猫など、手で軽くなでるだけで毛が空に舞うほどの抜けっぷりだ。


さてこの猫、常に他の猫とつるみたがり、他の猫に冷たくされたり、「1匹になりたい」とばかりに去っていかれるたび我が家にやってきては、「ニャーン(訳:膝に乗りたいよ)」とアピールしてくるほどの“1匹でいられない猫”なので、どんなに忙しい時でも日に1回は膝に乗せてブラッシングしてやるのがいつの間にか習慣になってしまった。しかし毎日ブラッシングをしているのにとめどなく毛は抜ける。8月に入ってもまだまだ盛んに抜けていて、いつかはげるのでは? と心配になるくらいだ。

そんなわけで日々ブラッシングと掃除に励みつつ、猫の抜け毛を何かに利用できないものだろうか? と、掃除と同じくらい熱心に考えていた。過去のコネタで“犬の抜け毛でつくるセーター”について紹介されていたが、周囲に愛猫の抜け毛を丸めてボールをつくっている人は結構多い(まさに“毛玉”)。「じゃあそのうち丸めてみようか」などと思っていたある日、“猫毛フェルト”でつくったかわいい指人形を紹介しているブログ「猫のおきて」を発見。猫の抜け毛でこんなに可愛い雑貨をつくることができるなんて……と感激し、早速私もつくってみることにした。

作者の馨歩さんによると「小1時間、長くても2時間もあれば完成するお気軽な手芸です」とのこと。材料・用具と、大まかなつくり方のステップは次のとおり。

(材料と使用する用具)
抜け毛提供猫/猫のブラッシング用品(ラバーブラシ、櫛など)/糸、ひもなど/段ボール紙/ラップ/幅広のセロハンテープ/はさみ/鉛筆またはペン/毛糸洗い用洗剤/タオル/アイロンとアイロン台、当て布/ビーズ/刺繍糸または毛糸/木工用ボンド/爪楊枝または竹串

(作業ステップ)
(1)猫の抜け毛を収集→(2)指人形の型紙をつくる→(3)型紙をラップとテープでくるむ→(4) (3)でつくった型を猫の抜け毛でくるむ→(5)洗剤をかけて表面をこする→(6)ゆすいで、水気を切る→(7)アイロンをかけ、圧縮し、乾かす→(8)中の型紙を外す→(9)尻尾をつくる→(10)表面のけばをカットし、形を整える→(11)首輪や顔を付けて仕上げる
※詳しい工程はこちらに、写真つきでわかりやすく説明されています。

私は外を歩き回っている半野良猫の毛を使用したので、抜け毛を溜めておく際、缶に小さな防虫剤を入れて保管したが、特に衛生上の問題はなかった。室内猫ならばそんな心配もないだろうし、洗剤をかけてこする作業工程に「水で洗う」も含まれるので、なんとなく安心できる気がする。
また、白や黒などの単色でなく、茶色と黒が混じり合った毛色のいわゆるサビ猫の毛を使用したのだが(写真下左)、それなりに仕上げることができた(写真下右)。市販されている原毛フェルトを併用すれば、そっくりの毛色につくり上げることも可能かもしれない。

いずれにせよ、可愛がっている猫の毛で雑貨をつくれるというのは、かなり楽しい作業。抜け毛の季節、是非愛猫にそっくりな指人形をつくってみてはいかが?
(磯谷佳江/studio woofoo)

ブログ「猫のおきて」
編集部おすすめ