「東洋のハワイ」と呼ばれる韓国南方の島・済州島(チェジュド)。美しい自然と充実したリゾート施設で、新婚旅行先の定番としても知られるこの島に、韓国でも最大規模の性のテーマパーク、「健康と性の博物館」はある。

敷地面積2万坪。2006年3月に開館したばかりの、地上3階・地下1階からなる新しい建物内には、「性を正しく理解すれば、健康的で素晴らしい性生活が実現できる」をテーマに、性にまつわる様々な情報が公開されている。

日本で秘宝館というと、さびれた温泉街にあったり、施設が老朽化していたりと、怖いもの見たさ的な要素が無きにしもあらずだが、この「健康と性の博物館」はいたって健康的だ。
まず目を引くのが、近未来的なデザインの明るい施設。その様子は子供のころに訪れ、ボタンを押して歩いた科学博物館を連想させるほどだが、どこからか聞こえる女性のセクシーな吐息に、我々はもう大人なんだと思い知らされる。

展示物の数々も、陰湿さがなく、気持ちいいほどあっけらかんとしている。
例えばこんなアトラクションがある。くねくねと曲がる鉄の棒に輪が通されており、その輪を棒に接触させることなくゴールまで運ぶというゲームなのだが、ゲーム中ずっと、セクシーボイスが流れ続ける。聴覚による性的興奮で集中力が切れることを体験する展示だったのである。
訪れたカップルたちも、はしゃぎながら、でも少し照れつつアトラクションに挑戦しており、その姿がなかなかほほえましかった。

展示はこうした体験ものの他に、性交渉の年間回数・初体験年齢などを国別比較した資料や(日本は割と平均的な数字であった)、秘宝館定番の体位の模型、性にまつわる世界の民芸品(日本のコーナーにはアニメのフィギュアも)、妊娠出産・性病・高齢者の性などについてのまじめな情報提供、性をテーマにしたアート作品などが並び、盛りだくさんの内容だ。

博物館によると訪れる客層は、夫婦や若いカップルが多いとのこと。
新婚旅行のコースとして立ち寄る人も多いそうだ。
なお、こちらの博物館は19歳未満は入場不可となっている。残された子供のために、ゲームの楽しめる別室を用意するという心遣いも憎い。済州道知事公認の「優秀観光地」に指定されるだけのことはあるホスピタリティーである。

済州島にはこの他に、「済州ラブランド」「世界性文化博物館」といった性のテーマパークがいくつか存在するが、筆者はこの「健康と性の博物館」をプッシュしたい。
シャイな彼女も、率直で愉快な展示の数々に、きっと心を開いてくれるはずだ。
(清水2000)
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