クリスマス、お正月、新年会……。お酒を飲む機会が増えるシーズンも一段落といったところだが、こんな寒さにも負けず、ワインをあけた瞬間にどこからともなくやってくる憎いヤツがいる。


それは、「コバエ」。

一般的には、あたたかい季節に生ゴミなどに寄ってくるイメージがあると思うのだが、意外や意外、彼らはいまも健在である。

というのも、友人に「コバエ」を呼び寄せる人がいて、彼が来るたびに極寒の日でもコバエがどこからともなくやってくるという奇跡的なめぐり合わせがあったのだが、実はその理由が「いつもワインを持ってくるかららしい」ということが、最近になって判明したのだ。

コバエといえば、小さなハエの総称であり、主に「ショウジョウバエ」=お酒が好きなハエではある。
でも、不思議なことに、毎日ビールを飲む我が家では普段は姿を見せず、ワイン好きの友人が来るときにのみ出没するという法則がある。

コバエにも好きな酒・嫌いな酒があるってこと? コバエの習性を研究し、「コバエ激取れ」を開発したフマキラーに聞いた。
「コバエにもお酒の好き嫌いはあります。ワインは特に大好きで、たくさん寄ってきます。ショウジョウバエは、英語でfruit flyというぐらいなので、果実酒は特に大好きなんですよ」
と、マーケティング部担当者。
また、高級なお酒ほど、寄り付きがよく、「結構グルメなところがある」のだそうだ。

ところで、我が家では、赤ワインをあけると、たちまちコバエが来るのだが、「赤い色」が好きってこと?
「赤ワインは赤色ではありません。確かに赤ワインはコバエが好きですが、それは香りが原因です」

それにしても、不思議なのは、真冬でもコバエがやってくること。
クリスマスや正月にコバエがプ~ン……て、ちょっと嬉しくないけど、コバエは冬でも健在なもの?
「冬眠はしないので、冬場でも暖かい場所でじっとしていると考えられています。また、移動能力が非常に大きいので、春先になると、沖縄や東南アジアなどの暖かい海外からどんどん入ってくるんですよ」

それまで息をひそめていたくせに、ワインをあけた瞬間に確実にやってくる、コバエの勘の良さは、正直、おそれいってしまうほど。
コバエに知られず、家の中で静かにお酒を飲むにはどうしたら良いのだろうか。
「コバエは嗅覚が非常に優れているので、お酒があればかならず寄ってきます。やはりコバエ取りが必要です」

残念ながら、ワインを飲むときには、コバエ取りは必需品のよう。なんだかムードもなにもあったもんじゃないですが……。
(田幸和歌子)
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