猫って、なぜかダンボールが好きだ。「あとで片付けよう」などとダンボールをちょっと置きっ放しにしようものなら、即・全匹集合。
爪研ぎも木製のものには見向きもしないくせに(※筆者周辺の猫たちの場合)、ダンボール製のものは数日でボロボロになるほどの使い倒しぶり。周囲には常に屑が散らかり、猫の体にまで付いている始末である。

そのため、ダンボール製のキャットハウスを設置し、その中で爪研ぎをしてもらったらどうかと思い立った。が、なかなかグッとくるデザインのものがない。無地のものを買って自作するか……と思いつつ、本を数冊買ったときのダンボールなどをそのまま使ってしまっていたある日、ちょっとそそられるキャットハウスを見つけた。
猫好きで有名な作家・版画家の伴田良輔氏がデザインした、強化ダンボール製キャットハウスである。
聞けば、4月にアメリカの出版社からこのキャットハウスをテーマにした写真絵本『Kittens of Boxville』と、ポストカードブック『Kittens of Boxville Postcard Book』(ともにChronicle Books)も出版されるとのことで、実際に実物を見ることができる、神保町の「SPINギャラリー」にお邪魔してきた。

キャットハウスの種類は「アムステルダム(オレンジ)」「モナコ(白)」「バルセロナ(ブルー)」の3種類で、各3,800円。少しずつ大きさが異なり、全てダンボール製爪研ぎ付きで、ハウスの床に装着できるようになっている。実用アイテムでありながらカラフルでアーティスティック、デザイン性が高いのがうれしい。強化ダンボールというだけあってなかなか丈夫そうな印象だが、耐久性はどうなのだろう?

作者の伴田良輔氏に話を聞いてみたところ、「2年くらい前にお買い上げいただいて、『まだ現役です』という方もいらっしゃるくらいなので、結構丈夫です。自分で簡単に組み立てられますし、猫がはさまらないように、窓やドアの大きさも配慮しています」とのこと。


伴田氏は、この3月に出版された『ようこそ、女将猫』(日本出版社)をはじめ、猫に関する著書をたくさんお持ちの愛猫家。そもそも、このカラフルなキャットハウスが生まれたきっかけは何だったのだろうか。

「猫をはじめ、犬、ヤギなど、動物に囲まれて育ったのですが、東京では飼おうと思ってなかったんですよ。でも、迷い猫と出逢って一緒に遊んでいるうちに、ダンボールでキャットハウスを5~6個作ってみたのがはじまりです。その時は、クレヨンでぐいぐい色を塗って、カッターで窓を開けて風を通したりしていました。その場で家のかたちができていくのが面白くて、たくさん作って町みたいに置いて建築家気分になってみたりしてね(笑)。
それを見た編集者が本(日本版『キャットハウス』(学研))にしてくれて、それがきっかけで『オリジナルのキャットハウスをデザインしてほしい』という依頼がメーカーから来て、商品化してくださったんです」

そんなキャットハウスは、現在SPINギャラリー経由(受付/0475-35-0070)でのみ購入可能なのだそう。下のブログからも問い合わせできる。気になる方は要チェックです。
(磯谷佳江/studio woofoo)