涙を流して心のデトックスを図る「涙活」なる試みは、今や一般に広く知れ渡った活動と言えるだろう。そんな「涙活」を医療や教育の現場にて活用する「感涙療法士」なる医療職が誕生したそうだ。
いったい、どのようにそれを活用するのだろうか。感涙療法士が現場で行うことは、以下の3つだそう。

1、泣ける動画の上映
「親子ものや恋愛もの、ペットものの動画が中心です」(「涙活」プロデューサー・寺井広樹氏)
2、泣き言セラピー
「“泣き言”を手紙に書いてもらい、『涙千箱(るいせんばこ)』に投函してもらいます。名前は書かなくて構いませんので、心の内を吐き出してもらいます。弱音を吐くな、と教わってきましたが、時に弱音や泣き言も大事です。泣き言セラピーでストレスを解消してもらいます」(寺井氏)
「部活をもう辞めたい」とか「勉強がいや」とか「親とうまくいってない」など詳しく書かれた手紙が、たくさん投函されるらしい。

3、泣ける話の創作
「『なみだ作文』と呼んでいまして、各班に分かれた皆さんに“泣ける話”を作り発表してもらいます。悲しくて泣けるもの、感動して泣けるもの、実話でも良いですし、創作でも構いません。“さとり世代”の学生は冷めている、無感動だと言われていますが、話を作りながら感極まって泣きだす生徒もいました」(寺井氏)

すでに幾つかの高校で「涙の授業」を実施しており、近々、少年院での授業開催も予定されている。そんな「感涙療法士」の先駆けとして活動しているのが、元高校教師の吉田英史先生だ。

「感涙療法士」吉田英史氏とは
「なみだ先生」の愛称で親しまれ、「泣き言セラピー」を中心に涙の授業を展開。学校心理士の資格も所持し、カウンセラーとしての仕事もこれまで行ってきた。
昨年末から中学や高校に出向いて「涙の授業」を実施している。
「吉田先生は“生徒が泣きやすい状況を作るためのポイント”として、『生徒より先に自分が泣く』というのを心掛けているそうです。これは『生徒がもらい泣きするのを誘う』、『泣く恥ずかしさをなくす』ためです」(寺井氏)

そんな新医療職「感涙療法士」の認定講座が2月22日(申し込み締切2月10日)に開催されるとのこと。
「東邦大学名誉教授・有田秀穂先生(脳生理学者・医師)による『涙の効用とメカニズム』、そして吉田先生による『泣き言セラピー』を受講し、認定テストを受けていただきます」(寺井氏)

資格は「初泣」~「号泣」まで、3段階に区分されている。
・「初泣」……感涙療法士について、その理念を理解している
・「中泣」……感涙療法士の実績が十分にある人
・「号泣」……感涙療法士として優れた実績を持ち、社会への貢献度が高いと認められた人

受講対象者はサラリーマンや医師、看護師、主婦、学生など様々になりそうだ。「泣くことは、“笑い”や“睡眠”よりもストレス解消に効果的です」と断言する寺井氏。
涙の専門家になりたい方や資格マニアは要チェックか?
(寺西ジャジューカ)


第1回 感涙療法士認定講座
実施日:平成26年2月22日(土)17時~18時30分
会場:セロトニンDojo
申込〆切:平成26年2月10日(月)24時