――歯並びはキレイで骨格の方がズレている、と。
井出先生 当時は、そんな事が信じられないんですよ。そんなの、教わってないし。でも、次第に「事実として認めなきゃいけないな」って。
――それ、どうやって治したんですか?
井出先生 患者さんは患者さんで、苦しいから色々な事を自分で試してるんですね。そして「歯にガムを挟んでると楽なんです」とか、みんな同じような対処法をとっている。
――何かを噛んで、隙間を埋めるんですか?
井出先生 そうです。それで試行錯誤を重ねると、「あれ。この患者さん、いつも頭が傾いてるよね」とか気付くわけです。すると「体が曲がってるのに、上あごがベースになるわけないじゃないか!」と思い始め、僕の中で多くの歯科が否定されました。
――そこからの掘り下げって、面倒臭い作業になりますね(笑)。
井出先生 だって、他にやった人はいないから(笑)。それに掘り下げていくと、患者さんも実際に良くなっていくし。
――良くなっていくんなら、やるしかないですよね。
井出先生 ええ。すると、始めは「歯だけ診てれば」だったのが「首を診なければ」という考えに変わっていくんです。
――首まで行きましたか!
井出先生 でも、やり方がわからない。それまでトータルの問題って、僕には解決できなかったんです。すると、10数年ぶりに来院した患者さんが「先生、首を勉強してください!」って、いきなり言ってきたんです。
――ちょっと待ってください。その人、いきなり「勉強してください」って来たんですか(笑)?