でも、それが、成人男性となると、一気にイメージが変わってくる。
「萌え系アニメキャラ」や、「ちょっとHなもの」の意味合いが加わり、なんとなくヘンな目で見られることが多いと思うのだ。
これってなぜ? 海外では抱き枕って、どう使われているの? ロフテー快眠スタジオ・上級ピローフィッター・矢部亜由美さんに聞いた。
「日本では確かに、男性が抱き枕を使うと言うと、ちょっとヘンな顔をされることもありますよね。でも、世界では、抱き枕は、年齢性別にかかわらず広く使用されているんですよ」
そもそも抱き枕の始まりは、中国説、百済説など、諸説あるようだが、もともとは竹や籐で編んだ筒型の細長い籠だったと考えられているそう。もともとは寝苦しい夜に、涼しく寝るために用いられていたようだ。
「東南アジアの国々では『抱き枕』は非常に一般的に使われています。若い人ばかりでなく、幅広い年代で愛用されています。近年では、『涼しく寝るために』というよりも、冷房をかけながら抱き枕を抱えて寝るという使い方が多いようです」
また、タイではショッピングセンターなどで、筒型のやわらかな抱き枕が、シーツなどの寝具とセットで売られている様子が見かけられるそう。
ところで、日本の抱き枕は、江戸時代に伝わったとされるが、当時はあまり受け入れられなかったようで、ポピュラーな存在になったのは90年代かららしい。