
JALでは2011年からモスバーガーとコラボレーションした機内食「AIR MOSシリーズ」を展開。これまでに「テリヤキバーガー」「ライスバーガー」「テリヤキたまごバーガー」「モス野菜バーガー」を提供してきたが、5回目にして、いよいよ真打ちが登場したというわけだ。なぜここまで引っ張ったのか? JAL開発部 客室開発グループ長の田中誠二さんいわく、「本当は第1回目からやりたかったのですが、ソースの再現などが難しく、4年越しでようやく実現しました」とのこと。
「モスバーガー」の味の決め手となるのがオリジナルミートソースである。店頭では鍋で煮込んでいるが、機内では扱いやすいようパックにいれて提供するため、味の再現にはとくに苦労したという。独特のスパイス感に重点をおき、鶏がら、豚骨ベースにトマト、赤ワインなどを使用。こくとまろやかさを出すため、数百回の試作を重ねたそうだ。
基本的には店の「モスバーガー」と同スペック。実際に試食してみたが、食べ慣れたあの「モスバーガー」とほぼ同じ味だった。旨味たっぷりのミートソースやみじん切りオニオンのシャキシャキ食感もたまらない。ただ、大きな違いが1つ。“JALスペシャル”の方は自分で具材を組み立てるスタイルなのだ。

温かいバンズ(パン)とパティ(お肉)が入ったパッケージ、マヨネーズ、ミートソース、トマトとオニオンがそれぞれ別々に提供されるので、食べ方説明書を見ながら、自分で組み立てていく。食べ方説明書付きなので組み立ても簡単。仕上がりの見栄えには多少個人差が出るが、できたてのおいしさはひとしお!
機内食はどうしても調理から機内で提供されるまでにタイムラグがあるため、あらかじめ組み立ててしまうと野菜のシャキシャキ感が損なわれるし、パテやバンズだけを再度機内で温め直すのも難しくなる。自分で組み立てるスタイルにはそういった現実的な理由もあるが、“つくる楽しさ”という面からも非常に評判がいいそうだ。楽しみが少ない機内では、ちょっとしたエンターテインメントのようなかたちで受け入れられている様子。ファミリー層はもちろん、シルバー層にも好評だそう。できたての美味しさが味わえるのもポイントだろう。
ちなみに野菜はモスバーガーの提供している野菜と同じく、農薬や肥料に極力頼らず育てられた協力農家による国産品を使用。ただ、機内では使える容器サイズにも制限があり、トマトを入れる容器が小さいため、店のような大玉トマトを使えず、一回り小さいものを使用している。ただ、そのぶん厚めに切っているため、食べごたえは申し分ない(※天候や調達の都合で一般の野菜を使用する場合もあります)。
JALとモスバーガーのコラボレーションも5回目となり、回数を重ねたことで改良がくわえられた部分もある。たとえば、バンズとお肉の間、およびパンの下にシートが3枚挟まっているが、以前は2枚だった。

これまでのモスバーガーとのコラボシリーズはどれも非常に人気が高かったという。5回目となる今回の反響やいかに? 気になる味はぜひ機内で確かめてみては。
(古屋江美子)