bit

「ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い」 名曲のあまりにも大きすぎた影響とは

「ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い」 名曲のあまりにも大きすぎた影響とは
西寺郷太さん。ノーナ・リーヴスのボーカルを務めると同時に多くのアーティストに楽曲提供もしている。西寺さんの80年代アメリカン・ポップス論はもはや学術研究といってしまっても過言ではない。


「We Are The World」を機に消える米ポップス文化


「アメリカン・ポップスの最高潮を象徴する曲であり、これを機にポップス文化が消えて行くのです」(西寺氏)

ここで言うポップスとは単にポピュラー・ミュージックのことを指すのではなく、もっと大きな価値観のことだと西寺氏は指摘する。

「大きい物がいい、歌が上手い人がいい、お金持ちがエライというような価値観の最高潮にあったと思います。当時の絶対的な超大国であり豊かなアメリカが、貧しくて困っている人たちを助けたという構図だったので、インパクトも強かったのだと思います」

このわずか4年後に戦後40年以上続いた冷戦が終焉し、絶対的な価値観というもの自身が揺らいでいく。そしてミュージシャンである西寺氏は、それを音楽的観点から分析する。

「その後、人々の好みが細分化していきます。音楽でもヒップホップ、オルタナティブ、ハウスといったポップス ―誰もが知っているような仰々しい一番大きいモノ―のアンチテーゼとも言える音楽が市民権を得ていくようになります」

黒人と白人の融和を目指して


この音楽史の流れは決して偶然ではない。西寺氏は同書の前半でアメリカン・ポップスの歴史をトーキー映画の出現から丁寧に説明をする。その中にはブラック・ミュージックを上手く取り入れたエルビス・プレスリーの話も出てくれば、ブラック・ミュージックの総本山モータウン・レコードの話も出てくるが、ここで興味深いのは、ブラック・ミュージックが市民権を得られたと思われた60年代以降も長きに渡り音楽産業を牛耳っていたのは白人であり、黒人は商業的には常に白人を意識せざるを得なかったという指摘だ。
編集部おすすめ

あわせて読みたい

コネタの記事をもっと見る

トピックス

今日の主要ニュース 国内の主要ニュース 海外の主要ニュース 芸能の主要ニュース スポーツの主要ニュース トレンドの主要ニュース おもしろの主要ニュース コラムの主要ニュース 特集・インタビューの主要ニュース

ピックアップ

もっと読む

コネタニュースランキング

コネタランキングをもっと見る
お買いものリンク