
特許問題その1:「佃製作所が技術をパクった!」(ナカシマ工業談)
中小企業VS大企業の闘いの幕開けとなったのが、ナカシマ工業による特許侵害の訴え。ナカシマ工業は佃製作所の主力商品「ステラエンジン」は、ナカシマ工業が所有する特許を侵害していると主張。90億円もの損害賠償を要求する。しかし、これは佃製作所の特許の“穴”を狙いをさだめ、仕掛けてきたナカシマ工業の悪意に満ちた戦術。裁判で疲弊したところで、佃製作所を買収し、その技術を手に入れようと目論んでいる。

特許問題その2:「パクったのは“マネシマ”だ!」(佃製作所談)
ナカシマ工業はパクリの常習犯で、大企業の資金力を駆使してこれまでもさまざまな模倣品をしれっと作り挙げてきた歴史がある。あまりにひどいやり方は“マネシマ”と異名をとるほど。度重なるダメージに、一度は白旗をあげかけた航平だが、経理部長の殿村(立川談春)や弁護士の神谷(恵俊彰)に背中を押され、ナカシマ工業の主力商品である「エルマーII」を特許侵害で訴えるという奇策に出る。

特許問題その3:「特許を20億円で譲って!」(帝国重工)
佃製作所とナカシマ工業が小型エンジンの特許をめぐり、法廷バトルを繰り広げる中、第3の特許問題が浮上する。純国産ロケット打ち上げを目指すを帝国重工は、何年もの月日をかけ、ようやくロケットに搭載する水素エンジンを開発する。しかし、その水素エンジンに欠かせないキーデバイスの特許はすでに佃製作所が取得済みだったことが判明。帝国重工は、特許の譲渡を打診する。交渉役として佃製作所を訪れたのが、財前宇宙開発部部長(吉川晃司)と部下の戸山(新井浩文)。物腰はていねいながら、言葉のはしばしに、中小企業を見下した態度も見え隠れする。

「ナカシマに特許を奪われたとしても屁でもありません!」(佃航平談)
被告原告が入れ替わりながら進む特許裁判は混迷を極める。裁判官はどうも、大企業びいきにも見え、不安が募るばかり。しかし、航平の証人尋問で潮目が一気に変わる。「技術者はみんな自分の無力さを知ってるよ! だから必死に腕を磨いて、徹夜で開発に没頭し、次こそはと信じて物を作り続けるんだ」「たとえこの裁判に負けたとしても、ナカシマに特許を奪われたとしても屁でもありません。つちかってきた技術力だけは決して奪われない。正義は我にあり、だ」と熱弁をふるう航平。これまで冷ややかに見えていた裁判官の態度が変わり、佃製作所の勝訴に近い和解条件を提示される。

「私のなかでは答えは出てます」(佃航平談)
ナカシマ工業と争っていた2つの裁判は【ナカシマ工業が56億円の賠償金を佃製作所に支払う】という条件で和解決定。残すところは、帝国重工との特許をめぐる交渉。「何が愛着だ」「どうせ金が目当てですよ」「下請けが考えそうなことだ」と軽んじていた、帝国重工ペア。しかし、佃製作所にすんなり売ってもらえず、愕然。このままだと、ロケット打ち上げ計画に支障が出るのを避けられない。一方、神谷弁護士に真意を聞かれた航平は「私の中で答えは出ています」と答える。

今後、帝国重工の社員として戸次重幸も登場する。佃製作所にやってきて、ネチネチと財務面を審査するという役どころ。佃製作所の開発部長役を演じる安田顕との「TEAM NACS」対決も楽しみだ。

(島影真奈美)