世界的モンスターバンド「KISS」約40年間の歴史を、約100点にのぼる貴重な数々の展示アイテムでたどる世界初のKISSオフィシャル展覧会だそう。
昨日、同展のメディア内覧会が開催されており、記者も足を運んで満喫してきました!
世界に2足だけ! 「Destroyerツアー」でジーン・シモンズが履いていたドラゴンブーツを展示
では、会場に足を踏み入れましょう。


歩を進めると、“日本のメタルゴッド”伊藤政則氏による熱きメッセージが目に入ります。

その向かい正面にあるのは、こんな額縁。

これ、何だかわかります? 1976年12月10日にKISSのメンバーが交わした契約書です! 当時のメンバー間の収入分配も記されているようで、この辺りはいかにもKISS。
彼らが獲得した楯、トロフィー、ゴールドディスクも展示されています。


こちらは、メンバー手描きのライブ告知ポスター(1974年)。

1979年に大ヒットした名作『Dynasty』リリースに伴う「Dynasty Tour」時にポール・スタンレーが着用していた紫の衣装!

この時のポールの姿を見てファンになった女性が多いと言われています。
2000~2001年のフェアウェルツアーと、ソルトレイクシティオリンピック閉会式で「ROCK AND ROLL ALL NITE」を演奏した時の衣装も。




1970年代のジーン・シモンズのドラゴンブーツは、こちら。「Destroyerツアー」(1976年)~「Rock’n Roll Overツアー」(1977年)にジーンが着用していたオリジナルで、この2足以外は本人も所有していないとのこと。要するに、オリジナルは世界でこの2足のみです。

コンサートのクライマックスで必ずギターを破壊するポール・スタンレー。


メンバーが実際に使用した楽器の数々も。

会場内には、360度VR体験コーナーが設置されており、KISSメンバーの自宅にバーチャルで潜入体験できます。ロサンゼルスのポール・スタンレー宅にあるアトリエではポール自らが自筆の絵画を解説。ジーン・シモンズ宅では“KISSミュージアム”と化している自宅オフィスを世界で初めてバーチャル公開します。

ここは、メンバー所有の楽器と一緒に撮影できるミニステージです。

「モスラ」を不意に歌い出す、素顔のジーン・シモンズ
なんとこのミニステージに、本物のジーン・シモンズが登場してのトークセッションが行われました!
「ROCK AND ROLL ALL NITE」をBGMに、素顔のジーンが姿を現した!



逆に、ステージ上から報道陣を撮影するジーン・シモンズ。
第一声は「ドーモ、アリガトオ」。BGMに合わせて曲の一部を歌い出す大サービスっぷりです!
ジーン この博覧会は、夢の集大成です。人間には誰しも夢があります。KISSは、アメリカで歴代最もゴールドレコードを受賞したバンドとして表彰されました。でも自分が小さな少年だった頃は、あったのは夢だけでした。夢は皆さん持つものですけど、夢を叶えられた人はみんな夢に向かって働いています。
当初はステージ上に椅子が用意されていましたが照明が眩しすぎたようで、ステージに座ってトークするフランクな形式を自ら提案したジーン・シモンズ! 結果、こんな大物らしからぬ光景が展開されました。

さあ、トークセッションの始まり始まり~!
――昨年、日本から「KISS EXPO JAPAN」を開催しませんかというオファーをさせていただきましたけど、このオファーをお受けになった時にどう思われたでしょうか?
ジーン KISS EXPOを日本で開催というのを聞いた時は、大変うれしかったです。KISSは2ndアルバム(『Hotter Than Hell』)のジャケットで、漢字と名前を縦書きで書きましたが、それは日本の文化や皆さんへのオマージュでした。世界でクールなもの、ゴジラ、モスラ、ガメラ……(「モスラ~や、モスラ~」と歌い出す)、日本に来るとアメリカには無い目からうろこが落ちるような経験をたくさんします。すべてが変わったのは、鉄腕アトムを観たときでした。それまで自分が観ていたスーパーマンとかバッドマンは大人だったけど、鉄腕アトムは少年でした。
――日本からオファーが来てうれしかったということでよろしいですね。
ジーン サイコーデス!
――展示物一つ一つがファンにとって思い出深いんですが、この中でジーンさんが特に思い出深い品は何になるでしょうか?
ジーン ここに展示されているものは、ほとんど自分の私物です。自分のコレクションの中から持ってまいりました。もちろん、いくつかファンからお借りしたものもあるんですけど。日本武道館でビートルズを抜くような業績をあげられたというのはすごくうれしいですし、自分にとっても長い43年の音楽の旅路は気づくとあっという間で、昨日のことのように感じられます。気づくとファンの皆さんは子どもさんがいらっしゃったりして、そんな43年がすべてここにあるわけですね。
――では、特に思い出深いのは全てだと。
ジーン あえて言うなら、この俺かな(笑)
(場内から拍手)
インターネットは敵だ みんな、若者をサポートしてやってくれ
ここからは、記者からの直接質問にジーンが答えます。
――ファンの人達は昔の曲を愛し続けて、どこに行っても昔のジーンさんをイメージしていると思うんですが、過去の自分にジェラシーを感じることはございますか?
ジーン とても日本的な良い質問です。
――今、ジーンさんが17歳で、これからロックシーンにデビューするとします。今の音楽シーンはストリーミングであったり音楽産業全体がシュリンクしてきて、なかなか売れにくい状況です。マーケティングプロモーションで一時代を築いてきたKISSのジーンさんが今17歳だったら、どういうマーケティングのプロモーションで音楽界にデビューしたいと思いますか?
ジーン 今の時代は、新人バンドとして活動していく人たちにとって大変寂しい状況だよね。自分の頃のようなものがないわけだから。自分のときには、自分を信じてくれるレコード会社がありました。ポスターを貼ってくれるCDショップやレコードショップがありました。
KISSメイクのアトム登場に「オーマイガー!」
ここで、ゲストが登場。日本の文化を代表するキャラクターで、ジーンも子どもの頃から大好きな鉄腕アトムが「I was made for loving you」に乗って姿を現しました!

当然、アトムをカメラで撮るジーン。

ジーン ワオ、アストロボーイ! オーマイガー! アストロボーイ、なぜそんなメイクしてるの? サイコーデス!
今日のために、アトムがKISS的な衣装を着てメイクをして来てくれたのです!

ジーン 自分は67歳なんだけど、鉄腕アトムは僕より年上だよね?
いや、アトムは9歳です……。
ジーン スイマセン。
そして日本のKISSファンも登場し、ジーンへ花束が贈呈されました。

最後に、ジーンから日本のファンへ一言を。
ジーン 皆さん、ここにお子様を連れてファミリーで来てください。というのは、ここに来れば彼らは夢を感じると思うんです。自分たちが死んだ後も次の世代は残っていきますから、彼らにとっていい世界になるように、彼らがいっぱい夢を見れるように、ファミリーで来てください。

KISSといえばメイクですが、一日限定20名でメイクを体験できるコーナーも用意されているとのこと。ファミリーで来るも良し、友人やパートナーと来るも良し、もちろん一人で訪れるも良し。
「地獄の博覧会」なるタイトルですが、夢いっぱいです。ROCK AND ROLL ALL NITE!
(寺西ジャジューカ)