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昼休み返上で働くのは「働き方改革」なのか

昼休み返上で働くのは「働き方改革」なのか

残業削減が叫ばれる中、会社員たちはさまざまな方法で残業削減に取り組んでいる。業務を効率化するのはもちろん、朝型勤務などに切り替える施策もある。しかし一方で持ち帰り残業や休日出勤といった問題も出ている。

そんな中、また一つ問題が生じている。昼休み返上で働き、残業時間を減らすというものだ。ネット上でも、「お昼は素早く済ませる」ことで、残業削減効果があったという体験談が見つかる。ただ、昼休みに仕事をすると割増の賃金が必要になるほか、休憩時間がないため精神的、肉体的にきついなどの問題が考えられる。




この問題について、企業の残業削減を支援するセントワーク株式会社のワーク・ライフバランスコンサルタント一之瀬幸生さんに意見を聞いた。

気持ちは分かるが生産性はあやしい


「一定時間以上労働する場合は、45分、60分など休憩が義務付けられています。
これを踏まえてお答えしますと、残業削減のために昼休みに仕事をしたい気持ちはよくわかります。ただ、本当に成果につながっていますか? 本当はやりたくないのに毎日お昼休みも仕事をすると、疲れは取れず、モチベーションも低くなり、徐々に生産性が低くなっている可能性があります。
それよりお昼休みはリフレッシュしたほうが、いいアイデアが浮かんだり、午後も集中力が保たれたりと、トータルでみると成果は変わらないか、もしかすると高くなるかもしれません。せっかくなら前向きに仕事に取り組んで成果につなげたいですね」

いきすぎると「昼休み消滅」でブラック企業化


また、ネット上で見つかる体験談では、長時間残業がたたって残業禁止にしたところ、早朝出勤が常態化、昼休み消滅という結果になり、かえってブラック企業化したという話もある。これについて一之瀬さんに意見を聞いた。

●生産性向上施策は欠かせない
「目の前の売上目標や残業削減だけに捉われるとそのようになる可能性があるのではないでしょうか。従業員は経営層からの残業禁止命令と目の前の仕事との板挟みになって辛いですよね。正直、労基署介入レベルの長時間残業の状態からいきなり残業ゼロはむずかしいと思います。長期的施策として柔軟性を持って進めていれば、朝型勤務も効果があったのではないでしょうか。
朝型勤務で成功している企業は、朝食を出すなど従業員の健康に配慮しています。昼食抜きでは健康面とモチベーション面のダブルでマイナス効果になってしまいますね。そして限られた時間で成果を出していくためには生産性向上施策が重要です」

●「減らす」と「増やす」の両方が必要
「ブラック企業化しないためには、自社の状況を見極めつつ長期的視野で生産性向上に向けて『減らす』と『増やす』の両方の施策が必要ではないでしょうか。
『減らす』は、例えばムダの廃止、ITツール導入、アウトソーシングなど業務効率化の工夫。『増やす』は例えば人材育成、チーム力アップなどサービス・商品力向上です」

●成功の秘訣はトップダウンとボトムアップをうまく振り分ける
「自社の経験から、残業削減を進める際は、なぜ働き方改革を進めるのかをトップも従業員も理解し、大きな流れを作る方針伝達はトップダウン、具体的な取り組みはボトムアップで進めることが成功の秘訣と感じています」


社員の対策 昼休みに仕事をするのを避けるには


実際、残業削減のために昼休みに仕事をするような流れを避けるにはどのような対策があるのか。一之瀬さんは次のことを提案する。

「おすすめは『時間に追われている』から『時間の主導権を握る(時間をコントロールする)』に切り替え、習慣付けることです。
私の場合は毎朝、1日の予定を具体的に時間までスケジュールに落とし込んでいます。この方法だと1つ1つのタスクを自分の決めた時間に終わらせるぞ!と時間意識と集中力が高まります。

予定通りにいかないときは『短くできるタスクは?』『他の日に回せるものは?』『誰かに助けてもらう?』などを考えます。スケジュールを共有しているので上司も状況がわかっており相談しやすいです。弊社では『朝・夜メール』として全社員がスケジュール共有しています。

そして日々、予定と実績を意識することで改善のヒントが見えてきます。
いきなり残業ゼロではなく徐々に減らしていくスタンスが共有されているので、お昼休みは休む時間として過ごしています」

昼休みを上手に使うヒント


昼休み返上で働くのは「働き方改革」なのか

一之瀬さんは、昼休みについては次のように使うこともありだと提案する。

・昼休みを12時半~、13時~など遅めにずらし、頭の回転が良い午前中を長くする
・昼休みは無理に会社の人に付き合わない。時には自分に合ったしっかりリフレッシュできる時間の使い方をする
・PC業務中心の場合、昼休みは携帯やPCを見ないで20分ほど睡眠をとる

「また、お昼休憩だけでなく、勤務中も適度に10分、20分など休憩をとることもお勧めしています。ちなみに、弊社にはいつでも誰でも休める“ほっとスペース”があり、そこでは仮眠をとるのもOKになっています。環境がきびしい方は、こうした企業もあるということだけ念頭に置いておくだけでも違うかと思います」

(石原亜香利)

取材協力
セントワークス株式会社 人事サービス部 一之瀬幸生さん
株式会社ワーク・ライフバランス加盟ワーク・ライフバランスコンサルタント
産業カウンセラー
セミナー、ワークショップ、現場コンサルティングなどで企業の働き方改革を支援している。
https://www.saint-works.com/business/wlb/
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