第25週「大好き」第147回 9月20日(水)放送より。
脚本:岡田惠和 演出: 福岡利武

連続朝ドラレビュー 「ひよっこ」147話はこんな話
裏の広場で、女たち(みね子、世津子、愛子、早苗、鈴子、富)が集まって、語り合う。
「あかね坂独身女性の会」
この集まりを「あかね坂独身女性の会」と命名する早苗(シシド・カフカ)。「月時計会議」といい、クールな個人主義者のように見えて、早苗は案外、共同体好きである。そして、語り合うのが好きである。もし、早苗が好きになった男が革命家だったら革命やってそうだ。すぐ総括しそうだ。相手がドラマーで良かった、良かった。
冗談はともかく、「奥茨城村母の会」「月時計会議」「あかね坂独身女性の会」と共同体好きなのは、脚本家の岡田惠和であろう。前にも書いたと思うが、「おひさま」(11年)には「白紙同盟」というのがあったし、
「ちゅらさん」(01年)では、アパートのリビングでみんなよく集まっていた。峯田和伸、白石加代子、宮本信子、光石研、浅香航大の出ていた「奇跡の人」(16年)でもアパートの中庭でよく登場人物が集っていた。
さて、この日の主な議題は、女優を休んでアパートに身を隠している世津子(菅野美穂)問題と、愛子(和久井映見)の恋問題。
実(沢村一樹)問題以前に、叔父さん叔母さん問題がある。ひどい仕打ちに絶縁しようと思ったが、結局考え直す世津子。ほんとうに、このドラマでは、他人をやりこめるってことがない。相手のことを思って、すぐに刀を収めてしまう。それはとてもいいことだけれど、善意と悪意が相対化されないと、むしろなんだか収まりが悪い。
歪んだ感性ですね。 世の中を善意で見れないあなたは。