「コウノドリ」モデル医師による中学1年生への相談回答が感動的
「コウノドリ」公式サイトより。

現在放送中の金曜ドラマ「コウノドリ」(TBS系)。同名の原作漫画で、主人公・鴻鳥サクラのモデルになった医師が番組公式サイト内でさまざまな質問に真面目に答え、「かっこいい」「色々考えさせられる」と話題になっている。


中学1年生に真剣なアドバイス


鴻鳥サクラのモデルになったのは、りんくう総合医療センターの荻田和秀先生。番組公式サイト内の「ペルソナ総合医療センター 産科外来」というコーナーで出産や妊娠の不安、疑問に答えてくれている。

基本的には「出産直前までつわりがひどく続く場合、頑張って食べなければならないのは何週頃からなのでしょうか」「今回の出産も出血が多い可能性はあるのでしょうか」など、実際の出産の悩みについて答えている。

もちろんこれらの質問にも真摯に答えているのだが、話題になっているのは産婦人科を目指す中学1年生の悩みへの回答。

母親を子宮頸がんで亡くしたという質問者は、自分のような悲しい思いをする人を減らしたくて産婦人科を目指しているそう。「今のうちから出来ることや、やっておいた方がいい事はありますか?」「先生はどうして産婦人科医になったんですか?」と尋ねている。

荻田先生は、「君は偉いなぁ」と褒めたうえで、自分が産婦人科医になった理由として「新しい命が誕生する場面に立ち会う喜びにしびれてしまったから」「女性の病気全般を診ることができるから」と語った。


「君は辛い思いをした分、すごくいいお医者さんになるに違いない」としながらも、「お母さんの仇を討とうと思っているなら、医者になるのはやめといた方がええ。君がしんどくなりすぎる」という荻田先生。どんなに医療が進もうとも、どんなに最上の治療をしても助けられない人は必ず存在して、すべての人が思い通りに直るわけではない。「君はそんな場面にプロとして立ち会える? ずーっと冷静でいられる?」と聞く。

そこで荻田先生は「とにかく出来るだけ沢山本を読みなさい」「音楽を聴きなさい」とアドバイス。本や音楽に触れ、色々な時代の色々な悩みを取り入れ、そして「いつか自分の気持ちをぐーっと楽にさせることが出来たら、それから医療の道に進みなさい。
必ず、進みなさい。まっすぐ、進みなさい。その道のどこかで、君を待ってる」と締めた。

これには「色々なことにたくさん向かい合ってきた人が言える言葉」「これが『導く』っていうことだよな」「広い視野を持てるように導いてるってすごいわ」「学校の先生にはできないことだよね」と絶賛の声が。

荻田先生のプロフェッショナルぶり


荻田先生は、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演したこともあり、「いつでもどこでも誰とでも、どういう状況でも自分の納得できるパフォーマンスができるように、シミュレーションしたり勉強したり。そういう努力を惜しまない人がプロフェッショナルだと思います」と語っている。


「最悪のケースどうなる、死ぬかもしれないって思いながら用意しておかないといけない。そのシミュレーションをしておかないといけない」「その中から最高の選択肢っていうのは生まれるんじゃないでしょうか」と覚悟をのぞかせる荻田先生だからこそ、今回のような真摯なアドバイスができるのかもしれない。