「オープンキャンパス」をもう一度やろうってことで奮闘するエピソード。
すごいドラマだな!
今回、ドラマのクライマックスシーンは、オープンキャンパスで行われた高校生たちのパフォーマンス。
DJが音楽を流し、はじまったのは巨大な紙に三人がかりで巨大な字を書く書道パフォーマンス。
書き終わると、矢を射って、くす玉を割り、金紙が舞う。
書道の文字は、「ボクらの未来。ボクらが創る」。
拍手がおこり、校歌斉唱。

パフォーマンスが、しっかりまるまる描かれる。
従来のドラマツルギーによる感動を描こうとしていない感じだ。
「いやーこれマジで学生たちがんばって作り上げたんだろうなー」
「泣いている学生がいたけど、あれ、本当にやり遂げた感動で泣いてたよねー」
ドキュメンタリー番組か、実際に母校の高校にいったら学生がみんなキラキラしてた!ってタイプの感動だった。
いや、このドラマ、なんか凄いことやろうとしてるな。
学生がひとクラスぶんしかいないのではなくて、たくさんいるのも、そういったドキュメント感を出したいという意図なのだろう。
オープキャンパスのイベント、学生たちをやる気にさせたのが「ペップトーク」。
ペップ(Pep)というのは英語で「元気づける」「活気づかせる」という意味。
語源的にはPepperと同じで、ピリっとさせるイメージか。
スポーツの現場で、監督や指導者が、選手を鼓舞激励する短いトークのことを「ペップトーク」と言い、
それ以外の現場でも、鼓舞激励の口調を使ってみようという考え方だ。
前回、前々回で、アクティブラーニングが登場した。
学生が主体的に学んでいくスタイルの授業だ。だが、それは学生に投げっぱなしではなく、
先生は生徒のようすをしっかりと観て、コーチしていかなければならない。
この「コーチ」するためのひとつの方法として「ペップトーク」が出てきたのだろう。
ドラマのなかで、真柴先生(蒼井優)が、ペップトークを使う。
オープンキャンパスのイベント、いい案が出てこなくて、ぐだぐだになっていた学生たち。
真柴先生が言う。
「1! みんなはいまとてもむずかしい課題に取り組もうとしている」
棒読みである。
「2! それはこれからの京明館を変えるかもしれない重要な課題である」
学生は、何を言い出したんだ? と戸惑う。
「3! そしてその重要な課題に挑戦しようと手を挙げたのは他ならない君たち自身である。
4:なぜなら君たちは京明館高校2年3組、つまり特進クラス。この学校でもっとも優秀でもっともクリエイティブなメンバーの集まりだから」
が、じょじょに乗りはじめる。
「5:君たち以外に答えを見つけられる人間はいないの。
6:そしてその答えを見つけたとき君たちはきっとこう叫ぶ、やったぜい」
7が思い出せず、失敗したかなーと思ったが、学生たちは鼓舞され、議論しはじめる。
ドラマの中で教師たちが参考にしていた本『心に響くコミュニケーション ペップトーク』は、ドラマ用の架空の本かと思いきや、実際に発売されるようだ。
ドラマ的には強敵ラスボスのように演出されている加賀谷専務は、ほとんど何もできず。
前話でも、ダースベーダー登場の音楽が響きそうな闊歩で登場し、ギロっと睨んだだけで、踵を返し、実質何もしなかった加賀谷専務。
今回も、あれこれやっているようで、たいしたことはやらないんである。
保健の先生と密談し、抵抗勢力を聞き出す。そして、郷原先生(荒川良々)をおだてたあげく何を言うかと思うと「ありのままの京明館を見せてほしい」である。
考えようによっては「緊張せずにいつものように!」というアドバイスだ。
しかも、それが他の抵抗勢力先生にも伝わるが、ペップトーク本の威力の前ではまったく効かず。
そもそも、高嶋政伸の凄い怪演で、めちゃめちゃ対立しているように表現されているが、そんなことはまったくない。
鳴海を校長に配属したのが、加賀谷専務だ。
だから、鳴海が、京明館高校を立て直せば、加賀谷専務は、自分の評価が上がる。万々歳。
つまり、鳴海と加賀谷専務の目標は完全に一致。
なんの対立もないのである。
秘書が言った「できると思ってる人間には厳しい」という伏線もある。
ツンデレというか、厳しデレの可能性も高い。
このあたり次回以降、どうなっていくのか。
どんどん実録学園モノになっていくのか、ドラマティックな展開が待ち受けているのか。
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