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お尻のだらしない日本人は絶対サマータイムなんてやってはいけない

お尻のだらしない日本人は絶対サマータイムなんてやってはいけない

東京オリンピック・パラリンピック期間中の暑さ対策として、政府が日本全体にサマータイム(夏時間)導入することの検討を始めたことが、にわかに話題となっています。日本の社会はサマータイムには対応していないシステムがほとんどであり、五輪のために国全体の仕組みを変えようという発想に、批判が殺到しているようです。

確かにこの酷暑に対して無策ではいけません。ですが、マラソンのような競技の開始時間を早める等の措置をすれば良いのであって、何も国全体を変えるような大掛かりな方法は愚策としか思えませんでした。

私は、五輪というイベントを円滑にするさい、ごくわずかであれば日常生活に影響が出ても仕方ないと考えている人間なのですが、これはもはや影響どころか明確な損害です。「仕方ない」というレベルをはるかにオーバーしています。

時計をいじればいいだけではないんですよ…


システム関連の仕事をしている人なら、これと似たような経験がある人も多いはずです。システムのことをまるで分かっていないクライアントや上司や他部門の人々等が、いきなりシステム全体に影響を及ぼすような仕様変更を、「ちょちょいと直しておいてくれないか?」的な感覚で言ってくることは少なくありません。

中には、大規模な改修が必要であるためかなりの追加費用や作業時間が発生する旨を伝えたら、先方が「この程度のことでこんなにお金や時間をかけるのか!?能力低いんじゃないのか!?」のように不信を募らせるケースもあります。自分がシステムについて無知なだけにもかかわらず。このようにして、無知な人々が意思決定をしてしまうため、結果的に無駄な作業が多く発生するわけです。

今回のケースもまさにそのような感じでしょう。「時計の針をちょちょいと直せば良いんでしょ?」くらいにしか思っていない人たちが、国の重要事項を決める意思決定組織の中にいることは恐怖でしかありません。各種世論調査でも賛成が多数派を占めているようで、自分達が収めた税金を無駄遣いすることに意識が無いのは国民自身かもしれないと感じました。

サマータイムは何のイノベーションも起こらない


私は元々社会や組織が大きくイノベートされるのを好むタイプの人間なので、基本的には「既存のシステムに影響があるから」という理由で、「常識を考えてくれ…」のような口調で、新しい提案に反対することは愚かなことだと考えています。常識に囚われない発想はイノベーションを生むのに不可欠だからです。

では、サマータイムの導入によって日本の社会にどのようなイノベーションをもたらし、どんな素晴らしい発展した世界が待っているのでしょうか?

その答えは「マラソンを暑くない時間帯に開催できる」とのこと。イノベーションも何も起こりません。デメリットが多いことに加えて、メリットがあまりに小さ過ぎるため、思わず「常識を考えてくれ…」とこぼしてしまいました。

頭は真面目でもお尻がだらしない日本人


また、既に様々な論者がサマータイムのデメリットを強調していますが、その中でも最も大きな影響があるのが、やはり労働時間でしょう。たとえば、18時終業の場合、2時間早めて16時終業になると、外はまだ明るいため、「まだ仕事できるよね」という圧力が強まり、仕事が伸びる傾向にあると予想されます。

とりわけ、「日本人は台風の時に勤務地近くのホテルに前泊してまで始業時間を守ろうとするのに、終了時間は全然守らず、いつまでもダラダラと仕事を続けている」と、外国人から指摘されることが少なくないように、とにかくお尻の時間にだらしないという特徴があります。

加えて、先日可決した働き方改革法案においても上限規制は諸外国と比べてかなり緩く、サービス残業に対する取り締まりも弱い中、労働時間が拡大する圧力を止める仕組みがありません。そのような中、日本が始業時間を早めても、お尻も伸びるだけの会社が続出することでしょう。

今の政権や組織委員会で本当に五輪は大丈夫か


そもそも、サマータイムは本来、緯度の高い地域おける長い日照時間を有効活用することで、夜間の電力消費を抑えるために登場したものだと思います。ですが、これほどまでに毎日暑い日が続けば、至る所の空調をフル稼働させなければなりません。実際、サマータイムの導入によって家庭でのエアコン使用が増え、結果的に消費電力は約4%伸びるという試算も出ており、本来のサマータイムの意義すら無くなると言われています。

「欧米先進国でも導入しているから日本も導入するべきだ」という論者もいるようですが、国民の生活に直接関係するような子育て支援・若者支援・脱ブラック労働・ジェンダー平等推進等の政策は一向に先進国の模倣をしようとしないのに、サマータイムを模倣するという姿勢には、「もっと模倣しなければならないものはたくさんあるでしょう!」と突っ込みたくなります。先日成立したカジノ法案も同じです。

繰り返しになりますが、私は元々オリンピックに対して、自国開催を反対していた人間ではありません。ですが、このような施策が出て来る度に、「現政権や現組織委員会のもとで準備を進めるオリンピック」がどんどん印象が悪くなっています。サッカー日本代表はワールドカップ直前に監督が交代しましたが、自国開催となるとそのような突貫工事はできません。引っ掻き回すことを繰り返すようならば、円滑な開催のためにも、トップ交代を検討するべきだと思います。
(勝部元気)

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