テレ東の贈るビジネスドラマ枠「ドラマBiz」第2弾『ラストチャンス 再生請負人』(テレビ東京・月曜22:00〜)第4話。

会社の問題が次々と発覚し、翻弄されまくっていた樫村徹夫(仲村トオル)&「デリシャス・フード」だが、今回は物事がちょっと前向きに進みはじめ、トラブルは小休止といった回。


テーマ「夢」で大丈夫なのか?


新社長となった樫村が、会社を建て直していくにあたって掲げたテーマは「夢」。

不採算店をつぶし、直営店を半分にまで減らすためリストラを進めていた樫村だが、「北京秋天」本店のスタッフ・中野美由紀(藤本泉)から、

「社長の仕事はリストラだけではないと思います。社員に目標を与えること、夢やビジョンを与えることがもっとも大切な仕事ではないでしょうか?」

と言われて考えを改め、閉店までに2ヵ月間の「ラストチャンス」を与えることに。

この「ラストチャンス」、リストラ対象となっていたすべての店舗に適用されるもんだと思っていたのだが、そうではなく、「北京秋天」本店だけに与えられた猶予だということが分かった。

「夢」と言いつつ、意外とシビアな樫村さんだ……(言ったもの勝ちかよ!)。

これでは、本社が再投資してくれなかったせいで閉店に追い込まれた「モンゴルの空」のみんながかわいそうじゃない?

さて、「北京秋天を採算の高い店にします!」と豪語していた中野が「夢」のためにはじめたのは、恋人である佐伯隆一(和田正人)と一緒に人気店のメニューを食べ歩くこと。

……その段階から!?

ずーっと赤字なのは分かっていたはずなのに、今まで何をやってきたんだろう、この店は。
ここから2ヵ月で黒字化できるの!?

一方、樫村は、フランチャイズ権の買い戻しを求めて会社に押しかけてきたオーナーたちに、

「ご協力頂きたいと思っています。夢です! このデリシャス・フードを建て直してみなさんと共に栄えるという私の夢です」

なんて寝ぼけたことを言っていた。

実質、数千万円規模の詐欺に遭ったような状態のオーナーたちにそんなこと言っても……。そりゃあ、

「夢でメシが食えるか、ふざけるな!」

とキレられるわ。

樫村の掲げた「夢」というテーマ。心意気は買いたいが、実効性がどこまであるのか……。
さっそく大丈夫なのか心配になってくる。
「ラストチャンス」社長・仲村トオルが会社再建のために頼ったのが「占い」と「夢」…この会社心配だ4話
イラストと文/北村ヂン

「光明」と「女難」が一緒にやってきた!


仕事で追い詰められた樫村が頼ったのが、ちょいちょい登場してくるアヤシイ占い師(ミッキー・カーチス)だ。

オセロ中島にしろ、辺見マリにしろ、社会的地位の高い人が占い師を頼るようになったら、ロクなことにならないイメージがあるけど……。

この占い師から、

「一筋の光明は見えているよ、東の方に。いいことあるかも知れないよ。ただ、女難には気をつけた方がいいよ」

と言われ、東に向かって歩いて行く樫村。なんちゅう素直な人なのか。


するとそこには、「十和子フーズ」が運営する店舗「さつま西郷」が。さらに社長である岡田十和子(水野美紀)と遭遇する。

「これぞ光明!」とばかりに、会社再建に関して十和子に相談するため、ふたりで食事に行くことに。

「東の方に光明が見えている」と言われて素直に東へ歩いて行くほど占いを信じているのに、もうひとつのアドバイス「女難に気をつけろ」をなぜ無視するのか!?

十和子に「デリシャス・フード」への支援を頼んだところ、前向きなリアクションをもらえ、確かに「光明」が見えてきたのだが、同時に「女難」の影も……。

ふたりでタクシーに乗って帰る車内。

「樫村さんにはじめてお会いした時から、ご縁があるような気がしていたんです」

なんて言われた直後、十和子がタクシーの揺れに合わせて肩にもたれかかってきた(ドキッ!)。


十和子が独身であることも明かされ、ちょいエロな雰囲気が……。

現時点では、樫村の方にはよからぬ気持ちはなさそうだが(家に帰ってから十和子の言動を意味ありげに思い出してはいたけど)、十和子からは前のめりな雰囲気がビンビン。

樫村の乗ったタクシーが去って行くのを、メチャクチャ鋭い眼光で見つめていた。

十和子と食事に行った日も悪かった。その日は息子の誕生日だったのだ。

突然銀行を辞めたり、ヤバイ会社の社長を押しつけられることになっても理解を示してきた、物わかりのいい妻・明子(長谷川京子)だが、「私のことはいいけど、子どもを蔑ろにするのは許せない!」パターンが発動してしまうのでは!?

波乱の予感だ。


ボンクラ社長、再び


小トラブルはちょこちょこあったものの、問題続出しまくりだったこれまでと比べれば、前向きなエピソードが多かった今回。

その足を引っ張ってきたのが、含み損のことを知りアッサリ社長の座を投げ出した前社長・大友勝次(本田博太郎)だ。

樫村がコンサル契約を結んだ宮内亮(椎名桔平)の会社にやって来て、

「厳しそうだね、デリシャス・フード。銀行が貸し渋ってる」

と吹聴したり、そのメインバンクに行って、

「ヤバいよぉ〜、デリシャス・フードは。フランチャイズ権の含み損が相当な額にのぼるんだ」

とバラしたり。……何をやってるのだ、アンタは。

大友社長、あまりにナイスな変キャラなので、社長を辞めて、そのままドラマにも出てこなくなったらさびしいとは思っていたけど、辞めてからもこんなにウザイほど出てくるとは……。


「デリシャス・フード」にとって外部に知られたくない情報を言いふらしているかと思えば、頼んでもいないのに支援してくれる会社を探すため一肌脱ぐとか言い出したり。

社長を辞めたはいいけど、出向元だった「ジャパンリンケージ」には空きポストがなく、再就職先も見つからず、どうも「デリシャス・フーズ」に戻りたいと思っているようなのだ。

なんという厄介な人……。これからも会社を引っかき回し、イライラさせてくれそうだ。

またもトラブル続出の予感


十和子からアドバイスを求めたり、人気店を食べ歩いたりして(意味あるのかなー?)、採算性の改善に向けて歩みはじめた「北京秋天」にも暗い影が。

コンサルを請け負っている宮内は「北京秋天」の即時閉店を求めているようで、店を訪れたところで次回に続く!

比較的穏やかな展開だった今回だが、次回はまたトラブルが続出して荒れまくりそうだ。
(イラストと文/北村ヂン)

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『ラストチャンス 再生請負人』(テレビ東京)
原作:江上剛『ラストチャンス 再生請負人』(講談社文庫刊)
脚本:前川洋一
演出:本橋圭太
主題歌: 村松崇継「Starting over」(Climbing Records)
音楽 - 村松崇継
チーフプロデューサー:稲田秀樹(テレビ東京)
プロデューサー:川村庄子(テレビ東京)、松野千鶴子(アズバーズ)、木川康利(アズバーズ)
制作協力:アズバーズ
製作著作:テレビ東京