『ウマ娘 プリティーダービー』で注目の新スプリンター、カレンチャンは生まれながらの愛され系ウマ娘!
4月15日に登場した新育成ウマ娘のカレンチャン。「トレセン学園」への入学前から大人気のウマスタグラマーだが、「トゥインクル・シリーズ」に対する思いと素質も本物
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大人気の中、『ウマ娘 プリティーダービー』に新たな育成ウマ娘「カレンチャン」が実装

2021年の2月24日の配信開始から約1カ月半で500万ダウンロードというロケットスタートを決めたCygamesの人気ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』

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多くの競馬ファンを熱狂させた名馬の名前や魂を受け継いだ「ウマ娘」たちは、競馬に関する知識や興味の有無を問わず、幅広い層をトレーナー(ユーザー)デビューさせている。

引退した競走馬の余生を支援する「認定NPO法人引退馬協会」が4月16日から開催している人気馬ナイスネイチャの33歳のバースデードネーション(誰かの誕生日を記念して、プレゼントの代わりに寄付などを募る活動)では、4月25日現在で支援金額が2500万円到達目前。
開始からわずか9日で、昨年の支援総額(約176万円)の10倍以上の支援金が集まっている。昨年は404人だった支援者の数も、まもなく12000人に到達する勢いだ。

人気の高い競走馬だったとはいえ、今年の激増ぶりを見る限り、『ウマ娘』に登場する気さくな「下町少女」ナイスネイチャ(CV:前田佳織里)の人気も、支援増加の大きな後押しになっているだろう。

ゲームの配信開始時には、ナイスネイチャら25人の育成可能なウマ娘が実装されていたが、3月2日に最初の追加キャラとしてテイエムオペラオー(CV:徳井青空)が実装。以降も定期的に新キャラが追加され、4月15日に31人目の育成可能キャラ(うち二人は衣装違い)として実装されたのが、ウマスタグラム(ウマ娘の世界のSNS)で300万フォロワーを誇る人気ウマスタグラマーで、「自撮りの天使」カレンチャン(CV:篠原侑)だ。

現在、実装されている育成可能キャラの中では、まだ数の少ない生粋のスプリンター(短距離が得意)な上、「お兄ちゃん(お姉ちゃん)」というトレーナーに対する呼称も、ライスシャワーの「お兄さま(お姉さま)」に匹敵する破壊力。
開催中(4月26日11:59まで)のピックアップガチャでゲットできた幸運なお兄ちゃん(お姉ちゃん)が増えていけば、ますます人気のキャラになることだろう(執筆時点で、筆者はガチャ連敗中)。

モチーフ元である競走馬のカレンチャンは2007年産の牝馬で、2011年スプリンターズステークス、2012年高松宮記念と1200mのGIレースを2勝した名スプリンター。緊迫したレース実況でも、聴くと思わずほっこりする可愛い名前や、芦毛の馬体で人気を集めた。

競走馬に付けられる「冠名」とは?

特徴的な「カレンチャン」という馬名のうち、「カレン」は冠名(かんむりめい)。冠名とは、馬主(オーナー)が所有する競走馬に共通させて付ける単語で、ウマ娘のモチーフにもなっている競走馬の中から例を挙げれば、メジロマックイーンやメジロライアンの「メジロ」、マチカネフクキタルやマチカネタンホイザの「マチカネ」などが冠名。現役引退後、繁殖入りしたカレンチャンの子供たちも同じ馬主の所有馬で、「カレン~」という名前で登録されている。

冠名は、「冠」という言葉のイメージ通り、名前の頭に付くことが多い。
しかし、最強逃げ馬サイレンススズカの場合は、後ろの「スズカ」が冠名で、「サイレンス」は父である名種牡馬サンデーサイレンスに由来する。同じ馬主の所有馬には、2005年の天皇賞(春)を制したスズカマンボなど、前に「スズカ」が付く馬もおり、ケースバイケースだ。

馬名には細かな規則があり、登録時には公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル(競走馬の登録、引退競走馬の助成などの事業を行う団体)による審査もあるが、冠名に関する規則はなく、馬名の一部として審査される。なお、冠名は必須ではなく、冠名のない馬も多い。

冒頭で触れたナイスネイチャは、一見、「ナイス」が冠名のようだが、実際は冠名のない馬で、名前の由来は英語の「Nice Nature」(素晴らしい資質)。おそらく、父であるナイスダンサーの名前からイメージされた名前なのだろう。
ナイスダンサーはカナダ生まれで、競走馬を引退後、種牡馬となってから日本に輸入。トウカイテイオーの母の父でもある。

冠名は、命名の由来もさまざま。「メジロ」は馬主であり生産牧場でもある「メジロ牧場」の名前に由来するが、大元の「メジロ牧場」の名前の由来は、実は東京の目白。牧場を開場した代表者の自宅が目白にあったそうだ。「マチカネ」は、馬主の母校があった豊中市の待兼山が由来で、オグリキャップの「オグリ」は馬主の名字とシンプル。


キタサンブラックら「キタサン」を冠名としている競走馬の馬主が演歌歌手の北島三郎であることは有名だが、北島が競走馬を所有しはじめた当初、冠名は付けていなかった(最初の所有馬は「リュウ」)。しかし、父親に「勝ったとき、わかりやすいようにしてほしい」と言われ、名前(芸名)から「北」と「三」を取った「キタサン」を冠名にしたそうだ。
(出典「NumberWEB『“キタサン”冠名の誕生秘話。北島三郎とこれまでの愛馬たち。』」)

『ウマ娘 プリティーダービー』で注目の新スプリンター、カレンチャンは生まれながらの愛され系ウマ娘!
TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』では、トウカイテイオーに憧れる幼いウマ娘だったキタサンブラックだが、ゲームでは成長してトレセン学園へ入学。多くのファンを感動させた
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カレンチャンの冠名「カレン」は、オーナーの長女の名前「かれん」が由来。愛娘の名前そのものともいえる馬名は、競走馬のオーナーを始めたときから長年温めていた名前。
大きな愛と期待を受けて育ったカレンチャンは、オーナーに所有馬初のGI出走&制覇をプレゼントした。

そんな孝行娘の名前と魂を受け継いだカレンチャンは、生まれる前から愛され系のウマ娘なのだ。

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▼『ウマ娘 プリティーダービー』『ウマ娘 ぷりティーダービー Season 2』全話配信






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『ウマ娘 プリティーダービー』公式ポータルサイト

Writer

丸本大輔


フリーライター&編集者。瀬戸内海の因島出身、現在は東京在住。専門ジャンルは、アニメ、漫画などで、インタビューを中心に活動。「たまゆら」「終末のイゼッタ」「銀河英雄伝説DNT」ではオフィシャルライターを担当した。にじさんじ、ホロライブを中心にVTuber(バーチャルYouTuber)の取材実績も多数。

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