2014年に開催された『コミックマーケット』で披露したマリオ風コスプレが大きな話題を集め、日本だけではなく、世界10ヶ国以上で大規模イベントにゲスト招致されるなど国内外で活躍するコスプレイヤー・五木あきら。キュートなルックスとこだわり満載の衣装で、コスプレブームを牽引してきた彼女は一体どんな人物なのか? その素顔に迫った。

(3回連載の2回目)

【写真7点】私服姿も可愛い五木あきら撮り下ろしショット

――中学時代、周りにコスプレをしている友達はいましたか?

五木 いなかったです。みんなが少女マンガやドラマの話題で盛り上がっている中、「私は女子なのに『ジャンプ』が好きだ……」みたいな。当時は「私はオタク」ってアピールできる時代でもなかったですしね。そんなこともあってコスプレを始めた当時はアニメオタクブログみたいなものを頻繁に更新していました。

――どんな内容だったんですか?

五木 収集したキャラクターの画像を「これカッコいい!」と、今だったらツイッターでツイートするようなことをブログに書いていました。学校に話の合う子がいなかったので、オタク友達と繋がりたかったんですよね。あと『家庭教師ヒットマンREBORN!』が大好きだったので、『家庭教師ヒットマンREBORN!』好きが登録する同盟みたいなブログがあって。そこでフレンド同士になった子たちと一緒にコスプレ活動を始めたんです。

――本当にブログを通じてオタク仲間ができたんですね。

五木 同じタイミングでコスプレを始めた同じ年の女の子が2人いて、その子たちととしまえんのコスプレイベントに行って、3人であわせをしました。そこで野良のカメコさんが「写真を撮ってもいいですか?」と声をかけてきて、そのときに初めてコスプレを撮るカメラマンさんがいると知ったんです。コスプレをやる側もいれば、それを撮る側もいるんだとビックリしました。


――中学生にとっては未知の世界ですよね。

五木 それからコスプレをやりつつ、イベントに行きつつ、写真を頼まれたら「どうぞ」みたいな感じのことをしばらく続けていました。あと「コスプレイヤーズアーカイブ」というサイトがあって、そこに登録をして地道にコスプレオタク活動をしていたら、カメラマンさんから「撮影に行きませんか」というお誘いをいただきました。安心できそうな人だったので、撮影に行くようになって、いろんなイベントに一緒に行くうちに、今度は「コミケには行かないの?」と聞かれて。当時はコミケの存在も知らなかったんですよ。それでコミケに行ってみたら、そこでバズって五木あきらが有名になったんです。それが中3の出来事です。

――中学時代にめまぐるしく変化があったんですね。

五木 アクティブでしたね。人見知りなのに、毎週のように合わせ系のイベントに行ってましたし、好きな作品を好きな人同士で語り合うのが好き過ぎて、その気持ちだけで行動していました。

――先ほどお話に出た仲間以外に、同世代のコスプレイヤーはいたんですか?

五木 今でもそうですけど、中学生のコスプレイヤーはなかなかいないです。お金がかかる趣味ですしね。


――最初に買った六道骸の衣装は5万円したと仰っていましたけど、衣装はどうしていたんですか?

五木 六道骸の衣装は公式ライセンスを取っている商品だったんです。だから高いんですけど、そうじゃない通販で売っている衣装は1着1万円ぐらいなので手の届く範囲でした。あと(涼宮)ハルヒのコスプレ衣装とかは、いろんなメーカーから出ていたので3千円ぐらいで買えたんです。ほかにもコスプレの通販サイトでフリマがあったので、古着で安く手に入れたりしてやりくりしていました。高校からは本格的にコスプレをしたかったので、ダイエット目的でバトミントン部に所属だけはして、バイトや撮影会などでいただいたお金で衣装を買っていました。

――五木あきらという名前で活動し始めたのはいつからですか?

五木 「コスプレイヤーズアーカイブ」に登録したときです。その前に違うコスプレイヤーネームがあったんですけど、それに飽きたから軽い気持ちで改名しました。

――名前の由来を教えてください。

五木 「あきら」は、そのときにハマっていたマンガ『モノクローム・ファクター』の主人公・二海堂昶からで、当初は漢字表記でした。「五木」はパソコン変換で中2っぽいカッコいい名前がないかなって探していたら、五に木で五木って、なかなか見ないなと思って決めました。

――有名人で「五木」を名乗っているのは、五木ひろしぐらいですよね。

五木 当時、中学生だったので五木ひろしさんを知らなかったんです(笑)。
それで「五木昶」と付けたんですけど、「あきら」と読めない人が多かったんですよ。中学生なのに「五木さん」と呼ばれることが多かったので、「あきら」とひらがなにしました。そしたら中3で、そこそこ名前が出るようになったので、変えるに変えられなくなりました。文字だけ見ると演歌歌手みたいで、もっと可愛い名前にしておけばよかったのかなと思いますけど(笑)。

【つづきはこちら】「『私で大丈夫かな』って不安になる」グラビア撮影

▽五木あきら
様々な作品の公式コスプレイヤーとして活躍する人気コスプレイヤー。国内は元より、アメリカ、韓国、スペイン、中国、ロシアなど世界10カ国以上の大規模イベントに出演。また近年では雑誌グラビアに出演しており、活動の範囲を広げている。
編集部おすすめ