さくら学院「さくら学院祭☆2014」ライヴレポート2@EX THEATER ROPPONGI 25.OCT.2014 さくら学院の秋の重大イベント「さくら学院祭☆2014」2daysが10月25・26日に東京・六本木のEX THEATER ROPPONGIで行われた。まずは初日の模様をお伝えする。
絵に描いたような秋晴れに恵まれ、昼間は汗が滲むほどの天気だった東京地方。16時半の開場時間を迎える頃には陽も西に傾き、爽やかな夕風が頬をくすぐる過ごしやすい気温になった10月最後の土曜日。表の六本木通りにはハロウィンのコスチュームとメイクアップに扮した男女がそろそろ集まり始めている。 学院祭の会場内は定刻を10分ほど遅れ開場し、徐々に熱気が高まっていく。中等部3年の
水野由結がプロデュース委員長に就任してから、彼女の演出やセットリストには父兄からも注目が集まっているようで、さくら学院にとって大切な学院祭で、果たしてどんな曲が披露されるのか、毎回意表を突く水野のプロデュースに期待も増していく。 やがて10分少し遅れて始まりを告げるチャイムが鳴る。そしてお馴染みの『目指せ!スーパーレディー』のイントロが流れ、観客からが「おおっ!」と歓声が流れる。2014年度の10人のバージョンがどんな歌詞・仕上がりなのか? 担任の森ハヤシ先生の台詞に乗って生徒たちの自己紹介ソングのスタートだ。 冒頭の水野は「由結はこ~んなに大きくなったもん!」と沸かせる。田口の3年目の台詞は「フツーです」に変わっている(笑)。山出が腕相撲に勝てそうな相手は田口に。「え~っと、あ、倉島」という森先生のボケもきっちり入り、倉島は「覚えてくれないと消しちゃいますよ!」と得意のマジックで生徒たちを消してしまう(笑)。
岡田はお得意の「知ってる知ってる!」からの「今日は明智光秀さんです、敵は本能寺にあり!」とお立ち台で可愛く物真似(?)して盛り上げる。 続いては初期の代表曲『ベリシュビッッ』。フロアの父兄たちは手拍子にコールにと徐々にヒートアップしていく。さらにはこれまた初期の『Hello!IVY』。さくら学院のライヴに何度も通ってる人間にとってはお馴染み過ぎる曲ではあるが、卒業生や新入生によってメンバーも替わり、その生徒たちが成長していく過程を見ていると一度たりとも同じステージはなく、常に新鮮な気持ちでパフォーマンスを楽しむことが出来る。父兄も参加してフラッグを振り、一体感を楽しめる楽曲だ。 次ページではプロレス同好会vsコヤジ部の争い!「MOA KOYAJI DEATH!」……どこかで聞いたような? チャイムが流れ生徒たちがステージから去ると、プロレス同好会結成のいきさつ……とアナウンスが流れ森先生が登場する。水野が森先生を固定させたところで
田口華がいきなりジャンピングニーを食らわせる勢いで登場する。どうやらプロレス同好会結成に至る再現コントが始まるようだ。 田口は、
菊地最愛にコヤジ部結成を誘われていることと、プロレス同好会のメンバー集めに悩んでいるようだ(笑)。森先生は水野を部員に推薦し、観客席は大喜びだが、水野はパイプ椅子で叩き合ったり流血する部活はイヤだと却下(笑)。田口の本命・
磯野莉音は田口が毎晩メールで
アントニオ猪木の名言などを送ってくるのが鬱陶しいと断ってしまう。
購買部の野津友那乃・白井沙樹にも断られて途方に暮れてると、そこに変な泣き声が……。見るとバルコニーにハゲづらにステテコ、腹巻きというオヤジルックの菊地が「華、今年こそコヤジ部をやろうって約束したじゃない」と泣いている(笑)。田口に断られた菊地は「飲まなきゃやってられない! ココアを熱燗で!」とくだを巻き、森先生には「このハゲビン
チャン……ハゲチャビン!」と言い間違える始末。 続いては「モンゴリアンチョップ! コブラツイスト!」と技名を連呼しながら、いかにも入部したそうな
大賀咲希と、「大賀さんすごい!」となぜか子分キャラになった倉島颯良が登場するが、「おまえらに触れるとヤケドする」と森先生に却下されてしまう。「声をかけてないのは岡田と山出くらいか……」と森先生。 すると「そうはさせないわ!」と謎の声が響き、バルコニーに「MOAKOYAJI DEATH!」「MEGUKOYAJI DEATH!」「AIKOYAJI DEATH!」とコヤジルックの菊地、岡田愛、山出愛子が勢揃い。「3人合わせて」「コヤジ部DEATH!」とやると、すかさず森先生から「BABYMETALみたいにやるな!」とツッコみ。場内は拍手喝采だ。菊地は「これでプロレス同好会に入る人間はいなくなったわ、オーホッホッホ」と早くもコヤジの設定を崩壊させて去って行く(笑)。 すっかり諦めモードの田口に、「そんなのやってみなきゃわからなくない?」と磯野が登場。結局は磯野が入部することで一件落着。コヤジ部の3人がステージに揃ってなぜか曲紹介することになるが、岡田のハゲづらのズレっぷりがツボに入った山出と菊地は笑いが止まらなくなる。
グダグダの中で、田口の名言(?)がいろいろ歌詞のモチーフになっているという曲紹介がされ、ステージ上のプロレスリングに現れた凜々しい田口と磯野が激しい歌とパフォーマンスを繰り広げる。お互いマイクパフォーマンスで煽り合い、観客も大興奮に巻き込まれていく。ロープワークやスクワット、プロレス技がダンスに織り込まれ、二人の戦いもヒートアップ。今後どんな抗争になっていくのだろう? リングがステージ上から消えると、購買部の野津・白井が登場し、お勧めグッズを紹介していく。プロレス同好会のリストバンド、購買部のメガホン、『ハートの地球(ほし)』Blu-ray版ジグソーパズルつきなどを紹介し、ライヴがスタート。曲間の森先生演じるファンの声もすっかりお馴染みになったノリのいい楽曲。野津と白井のキャラも良く生かされているように思える。 部活ユニットの最後を締めるのはミニパティ。『ミラクル♪パティフル♪ハンバーガー』、『しゃなりはんなりどら焼き
姫』と、唯一昨年度から不変のラインナップで貫禄の安定したパフォーマンスを魅せてくれる。課外活動も忙しいが、卒業までにもう1曲新曲が出来たらな、と願うファンも多いのでは? ここで2014年度上半期のまとめ映像が流れる。転入生2人の初々しい映像。これを見ても皆急速に成長しているのがわかる。
女子三日会わざれば……である。 そしてニューDVDシングル『ハートの地球(ほし)』。離れていても心は一つをモットーにしてやってきた今年度のさくら学院らしい歌詞とピースフルなメロディにほっこりさせられる。 次ページは卒業生・
三吉彩花が登場「だから友那乃以外の女の子を見ないでください!」 ここで、今年もおもむろに始まる、サクラデミー女優賞。誰が女優らしい素晴らしい演技が出来るか競うというコーナー。初日の登場者は水野、菊地、野津、倉島、山出の5人。そしてライバル役として声の出演が発表されたのは何と、卒業生の三吉彩花。沸く場内。既に女優として演技力の評価も高い三吉相手に5人がどんな演技を見せるのか? まずはビデオでコメントする三吉、いきなり森先生の噛み癖や髪型を弄って笑いを取る。すっかり女優の雰囲気を漂わせ始めた三吉に、森先生は「感じが悪いですね~」と返し笑わせた。さて、5人が演技するシチュエーションは、憧れの先輩に告白するシーン。そこにライバル役の三吉が絡んでくるのだが、果たして臆せず告白できるか? 山出は「彩花さんに先輩を取られたくないです。
先輩、私と付き合ってください、お願いします!」とやり、拍手喝采。感想を求められた菊地は自分のことで精一杯なのか、「胸がはち切れそう……」と死にそうなコメントだ。 倉島は「先輩は人気者だから颯良のこと知らないかもだけど、颯良は先輩をずっと見てたんですよ?」と健気な台詞で沸かせた。「爽やか!スタジオジブリのヒロインみたいな爽やかさがある」と森先生も絶賛だ。 水野は「先輩を想う気持ちは誰にも負けませんからーっ!」と後ろに走り去るという小技を披露(笑)。「走り去ったら追いかけちゃうパターン、汚ねえぞ水野(笑)」と森先生もツッコむ。 野津は「先輩が彩
花ちゃんといると胸がすごく苦しくなるんです。だから友那乃以外の女の子を見ないでください!」とやり大歓声。倉島は「いつもと声が変わった」とコメントして大爆笑だ。 そしてこの間ずっと、緊張のせいか、あたかも腹痛に苦悶の表情を浮かべてる子のような、何とも困った表情をしていた菊地が印象的だったのだが、その菊地は「最愛といると、ずっと笑顔でいられますよ? 最愛は先輩の笑顔の理由になりたいんですけど、なってもいいですか?」と告白して大拍手をもらった。 場内の拍手の大きさで賞が決まるのだが、結果は野津の優勝。賞品としてウイニング小芝居として、もう一回演技をすることに。
森先生に「三吉はほんとに今見てるから。ブログでダメ出しするって」と脅されながらも野津は「先輩を初めて見たときからずっと好きでした。ずっと隣りにいてください!」とやり、「束縛が凄い」と森先生。菊地は「まっすぐっていいね」とコメントした。 ライヴはいよいよ後半戦。まずはハロウィンソング『Pumpkin Parade』。黒と赤のドラ
キュラ風ケープをまとった生徒たちが怖可愛いハロウィンナイトを演じる。そして今年度の新曲『アニマリズム』。動物たちの鳴き声がこだまする楽園に迷い込んだような、しばし平和な雰囲気に包まれる。 そして水野プロデュース委員長が「次の曲はとっても久しぶりの曲です!」と場内の期待感を高める。『Planet Episode 008』。
中元すず香の卒業式で演じて以来、約1年7ヶ月ぶりの同曲。ずっと待ち望んでいたファンも多いはずだ。驚き、どよめき……そんな声が父兄から漏れる。この辺りが水野のセットリストの面白いところで、毎回何が起こるかわからない見逃せない感が満ちている。元々中元が担当していたパートを、朗々と歌い上げる大賀の歌唱力の上昇も頼もしい。 本編ラストは『FRIENDS』と『School days』。先輩から歌い継がれた曲を大切に守っていくのもさくら学院の魅力。今年は2014年度の『FRIENDS』と『School days』として、いよいよ完成に近づきつつある感がしてならない。2014年度の10人のさくら学院は今年だけのもの。その萌芽から開花そして実を結ぶ瞬間までの神秘的な瞬間瞬間を見逃さずにいきたい。 アンコール1曲目は『Magic Melody』。シングル曲のカップリングでアルバム未収録曲ではあるが、この曲も大切にされているのがよくわかる。切ないメロディラインと心に沁みる歌詞。いつまでも歌い継いでほしい曲の一つだ。 そしてラストは『Jump Up~ちいさな勇気~』。現在(いま)を進み、夢は明日へ届けると歌う歌詞は、そのままさくら学院の、そして多くの父兄たちの心を強く勇気づけてくれる。着実に成長しつつ、でも決してまだ完成形でないからこその魅力がさくら学院にはある。 2日目はどんな成長を見せてくれるのか、そして12月の4周年公演に向かってどう進化していくのか。ひとりひとりが期待に胸を膨らませながら帰路につく。街はハロウィンに扮した人々で溢れかえっている。 セットリスト 01 目指せ!スーパーレディー -2014年度- 02 ベリシュビッッ 03 Hello!IVY 04 新曲(プロレス同好会) 05 新曲(購買部) 06 ミラクル♪パティフル♪ハンバーガー 07 しゃなりはんなりどら焼き姫 08 ハートの地球(ほし) 09 Pumpkin Parade 10 アニマリズム 11 Planet Episode 008 12 FRIENDS 13 School days ~アンコール~ 14 Magic Melody 15 Jump Up~ちいさな勇気~竹崎清
彦アイドル、ファッション、スポーツ、ゲーム攻略本など幅広く執筆。趣味はライヴ観戦。好きなアーティストを追いかけ世界中どこへでも行きます! 80年代モノに詳しい。