【前編はこちら】錦鯉・長谷川が語るブレイク後の私生活「2LDKマンションは広くて使い切れない」
【写真】初の全国独演会ツアーを開催する錦鯉
──月並みな質問で失礼しますが、世界が広がった中で、雅紀さんの中での夢ややりたいことってありますか?
長谷川 そうですねえ、後輩に何かしてあげられたらなあって。中々会えなくなりましたが、ちょくちょく「いま、何しているんだろう?」とSNSで近況を調べたりと、頭の中にはずっとみんなの存在があるんです。機会があればやっぱり事務所のみんなと何かできたらなあって。
この前も、結婚した松本りんす(だーりんず)と、ゆーびーむ☆がやっているバーに行ってきて。たまご会(長谷川が結成した芸人会)とも、そろそろ何かしたい。仕事がなかったころに、タカトシの番組に呼んでもらったり、シショウ(ハリウッドザコシショウ)にいろいろ使っていただいていたので、僕も周りの人たちのために何かできたらいいなと思っています。
──ここ最近では『泳げ!ニシキゴイ』にSMA NEET Projectの芸人が大勢出演していましたね。あれは錦鯉が有名になることで周囲を押し上げた一つの形かなと。
長谷川 あれは嬉しかったですね。や団の本間(キッド)、ロングサイズ伊藤とか、ゆっくんちゃんとか出てくれて。
──ただ個人的に、隆さんの「桜前線」時代の相方、だーりんず小田さん役を、ロビンフットおぐさんが演じていたのは謎でした。
長谷川 アッハッハ!あれは僕も不思議に思っていました。なんでだったんでしょうね。
──ほかに何か雅紀さんの中でやりたいことはありますか?
長谷川 やっと最近テレビにたくさん出していただけるようになって、若いころに持っていた「レギュラー番組が欲しいな」とか、「冠番組が欲しいな」という、お笑いをやり始めた頃の感覚がふつふつとよみがえってきたんです。
僕はとにかく楽しくやれていればいいという性格で、「なにくそ!」とか「アイツに負けてたまるか!」という、ハングリー精神や向上心が欠けていて。それが世に出るまで時間がかかった部分に少なからずあるのですが(笑)。そんな僕が、今はこう思うようになったとは……人間の欲ってくづく恐ろしいなあと実感しています。
──アハハ!全くその通りですね。その中の欲で一番強いものは何でしょう?
長谷川 やっぱり漫才をやり続けたいです。あれだけ立っていたBeach V(SMAのお笑い専門劇場)にも今は全然立っていないし、浅草東洋館にも、今年はまだ一回も立っていないんです。営業でお笑いライブに呼んでいただいて、そこでネタをやる機会はあるんですが、昔に比べたら回数は減ってきちゃいました。M-1グランプリで世の中に出られたこともありますし、死ぬまで漫才だけは一生続けたいなと思っています。
それこそシショウと、バイきんぐが年に1回必ず新ネタの単独ライブをやっていて。身近な人たちが芸人として最高の背中を見せてくれているので、僕らもやっぱりそうありたいなあと。
──そうした想いを形にするように、6月から独演会ツアーを開催されます。ツアー開催は初、しかもオール新ネタ書き下ろしネタだそうで。
長谷川 やっぱり初のツアーなのでやれることはやりたいなと。ここ2年間、新ネタは作れていなかったんです。ネタ番組でも今までやったものを少し変えながら披露したりとこれを機に、隆とお互いに考えてきて、話して詰めてを繰り返しています。
──北は北海道、南は福岡、全7公演を約2ヶ月かけて走り抜けていきます。
長谷川 とにかく初めてのことなので健康だけは気をつけたい。僕も隆もいつどうなるかもうわからない歳なので、途中で倒れたりとかシャレにならないようにしないと。もう決死の覚悟です。最近、脳みそが衰えてきてネタが覚えられなくなってきて。
──今までの錦鯉のネタ作りから変わりそうなんですか?
長谷川 今って何を言ってもニュースになるじゃないですか。少し前に『踊る!さんま御殿』で「犬から電話がかかってきた」という話をしたら、それがネットニュースになって拡散されて。いやいやいや、なんでこんな話もニュースになるんだろうって(笑)。本当に何気ないひと言も世界に発信されちゃうから、昔に比べて自分の発言に責任をすごく感じているんです。テレビだけでなく、今はライブでの話もTwitterとかに乗って広がっちゃいますから。
──ましてや今、錦鯉さんは小さなお子さんから応援の手紙が届いたり女子小学生向けファッション誌で特集が組まれたりと、“老若男女が安心して見られるお笑い”という印象がついたと思うんです。過激なことがしたくてもしづらい環境と言いますか。
長谷川 たまにラジオでちょっと過激な話をすると、「子どもに聴かせられない!」というお叱りの声をもらったり、「“ブラックまさのり”が出たよ」とイジられたり(笑)。
これがテレビに出るということか、先輩方はこういう大変な道を通ってきたんだとすごく実感しています。けど僕たちはやっぱ僕たちなので、とにかくみなさんに楽しんでもらえること、僕たちが楽しいと思うことをお見せできたらいいなあと思っているので、ぜひ多くの方に来ていただきたいです。