毎週日曜放送中のドラマ『たとえあなたを忘れても』(テレビ朝日)に主演している堀田真由。今年は、3クール続けて連続ドラマにレギュラー出演したほか、スペシャルドラマ、映画『バカ塗りの娘』主演や、『禁じられた遊び』、『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』に抜擢されるなど、堀田の演技を目にする機会が多かった。


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今回は、堀田が出演した連続ドラマ『風間公親-教場0-』(フジテレビ)、『CODE-願いの代償-』(日本テレビ)を踏まえ、放送中の『たとえあなたを忘れても』と併せた3作品から、今年の堀田の演技を振り返りたい。

『たとえあなたを忘れても』は、ドラマ『ごめん、愛してる』(2017、TBS )や『恋なんて、本気でやってどうするの?』(2022、フジテレビ)などを手掛けた脚本家・浅野妙子によるオリジナルラブストーリーだ。

堀田は、ピアニストになる夢に挫折し、ピアノ教室で講師をしているものの生活苦に陥ってしまう主人公・河野美璃を演じている。相手役となるのが、記憶障害と付き合いながらキッチンカーを経営する青木空(萩原利久)。萩原とは、映画『あの日のオルガン』(2019)、ドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(2019、日本テレビ)、『ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~』(2021、フジテレビ)に続き実に4度目の共演となる。

これまでの共演経験から来るふたりの信頼関係と、演じる美璃のキャラクターも相まって、堀田は落ち着いた演技を披露している印象。
ピアノを演奏する場面では柔和な雰囲気を身にまとい、話し方や所作、青木に見せる笑顔や涙に至るまで穏やかで柔らかい。オリジナルストーリーとあって、1からキャラクターを作り上げる大変さもあるだろうが、堀田自身がもともと持っている可憐さにもマッチしていて、はまり役と言えそうだ。

先のクールで放送されていた『風間公親-教場0』や『CODE-願いの代償-』の視聴者にとっては、演じるキャラクターの違いに驚かされたことだろう。堀田はシリアスな演技もできる役者であり、コミカルなシーンでは思い切ってやりきる女優なのだ。

木村拓哉演じる風間公親が警察学校に赴任する前の物語『風間公親-教場0』で堀田は、捜査一課の事務員を務める、指導官室のデスク、伊上幸葉を演じた。常に緊張感のある物語のなかで、風間の厳しい指導を受ける新人刑事を温かく迎え入れ、幸葉は唯一安心できる存在という役柄であった。


最終話、風間の異動により指導官室がなくなることに。そこで、試験を受け直し、警察官になる決意を風間に伝えた。これまでにない真剣な眼差しで、犯人を「必ず仕留めます」と言い切った幸葉に目を奪われた視聴者も多いはずだ。

坂口健太郎主演、どんな願いも叶えてもらえる一方で、無理難題な任務を遂行しなければならない謎のアプリ「CODE」をめぐって事件が巻き起こるクライムサスペンス『CODE-願いの代償-』では、「CODE」を利用したことで死んだ兄の真相を解き明かすべく、事件を追うハッカー・三宅咲を堀田は演じた。

シリアスなストーリーのなかで、ムードメーカーとして活躍する部分は『教場』と似ているが、『CODE』ではヘアスタイルや服装からよりポップな印象を持たせて、天真爛漫なキャラクターを作り上げた。2クール連続での出演だったが、見事に違う表情を見せた。


3作品を振り返ると、堀田自身が持つ可愛らしさや無邪気な部分を存分に発揮しながらも、三者三様の違うキャラクターに落とし込んでいる。どの演技からも「堀田真由らしい、堀田真由だからこそ」と思わせるのは、本人が持つ性質を活かしながら、作品のなかで役を生きているからではないだろうか。

来年1月には、映画『ある閉ざされた雪の山荘で』、『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』の公開を控えている。日本を代表する女優のひとりとして、2024年も躍進を続けるだろう。

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