ロジクールは5月21日、ゲーミングキーボードの新製品として「G512 X 75」を発表しました。同社ゲーミングキーボードといえば既に展開中の「G PRO X TKL RAPID」や「G515 RAPID TKL」でラピッドトリガー機能を搭載し、昨今の入力にシビアな競技ゲームタイトルで便利に活用できるようになっています。
今回正式発表に先駆けて「G512 X 75」のサンプルを試用できたので、1週間ほど使ってみました。忙しい方向けにまとめておくと、標準でラピッドトリガーにできるのは9個のみ。ガスケットマウントの打鍵感は最高です。
取材協力:Logicool
○キーボード市場を席巻するカスタマイズの波
今回取り扱う「G512 X 75」は、なんといってもカスタマイズ性に注力されたゲーミングキーボードです。振り返れば2023年に「Wooting 60HE」なる製品が磁気スイッチを搭載して精密なセンシングを実現し、ラピッドトリガー機能という圧倒的に強力なアドバンテージを競技ゲーマーにもらたしたのもすでに3年前のこと。
このWooting 60HEは強烈な機能性だけでなく、キーボードのパーソナライズをゲーマーにまで広げることに成功した製品でもありました。ゲーミングデバイス市場ではキャップの交換に次いで、やっとスイッチを交換できるかどうかという時代において、基板やマウント、ケースまで交換できる高いカスタマイズ性を実現。大手ゲーミングデバイスメーカーの製品を“吊るし”のまま使うことが当たり前だった中、性能と個性の両面で大きな存在感があった製品です。
そして今回、大手デバイスメーカーとしてはかなりカスタマイズ性に注力された「G512 X 75」が、大手も大手のロジクールから発売されたという流れ。“デュアルスワップ・モジューラーデザイン”なる仕様で、メカニカルスイッチとアナログスイッチの両方に対応します。本体に内蔵された41個のTMR(Tunnel Magnetoresistance)センサーで磁気を検知し、解像度と低消費電力を実現。温度による安定性低下にも高い耐性があるとのこと。
また押し込み量で2つの入力を1つのキーで行う機能も搭載。キャップとスイッチにはさんで使う「SAPPリング」を同梱してアクチュエーションポイントを物理的に2段作ることが可能で、より安定した2段階入力が行えるようになっています。
さらにTRUE 8KポーリングレートでのUSB入力にも対応。スイッチのセンシングから内蔵プロセッサによる処理、USBケーブルでの伝達まで8000 Hzで行うというもので、キーボードの性能を余すところなく引き出せるというわけ。PC性能(特に強力なCPUを搭載している場合)が高い場合は有効化するとよいでしょう。
○ホワイトモデルの外観を見る
さっそく手元の実機で外観を見ていきましょう。ホワイトモデルは白とパステルグリーンのツートンカラーになっており、パステルグリーンのescキーや十字キーは白に統一するためのスペアも付属していてとても親切。ブラックモデルでは差し色がパープルになっているのも格好良く、デスク環境に応じて両モデルともに魅力的です。
外観としては、G PRO X TKL RAPIDやG515 LIGHTSPEED TKLにあったファンクションキーの奥のスペースが省略されてて素晴らしいです。個人的に前々からロジクールのゲーミングキーボードで最も野暮ったく思っていた部分だったので、ダイヤルの配置を工夫して奥行きを詰めた本製品はとても好印象。
そう、この製品は標準仕様ではメカニカルスイッチを搭載しているので、磁気スイッチはオプション扱い。41個のキーで磁気スイッチへの交換をサポートしますが、付属しているのは9個だけです。
製品の発表会では「事前の調査で9個もあれば問題ないと考えた」というお話も聞かれましたが、正直なところとしてはもっと欲しかったところ。別に背面に交換用スイッチをすべて収納しなければいけないこともないので、20個くらい磁気スイッチが同梱されていればもっと便利に使えたと感じました。
9個しかないのでやむを得ず、今回はQWEASD、Shift、Ctrl、Spaceキーを磁気スイッチに交換しました。『VALORANT』や『オーバーウォッチ』を遊ぶだけでも数字キーとZ行、RやFも使用頻度がとても高くなるはずなので、どのような調査で9個で十分だという判断が行われたのか不思議です。
バッテリー搭載製品だとあえて消費電力を増やしたくはないものですが、USB給電なので心置きなく最大光量に設定。今回別売りのパームレストもドッキングしてみました。マットUVコーティングを施した高品質アクリル素材製とのことで、キーボード下部に設えられた「LIGHT BAR」からの光を鮮やかに反射・増幅します。開発にあたっては、キーボードの角度を調節してもキレイに光るよう注力されたとのこと。
○使ってみた。2種類のスイッチ混在でも案外違和感がない
さっそくG HUBをインストールしたWindows PCに接続して試用。
実際にゲームで使ってみると、とりあえずラピッドトリガーがWASDキーにさえ適用されていれば、いったん普段のゲームプレイでそこまで気になることはありませんでした。メカニカルのスイッチだけ極端にアクチュエーションポイントが深すぎることもないようで、9個しかなくてもあまり不安になる必要はなさそう。
また、2種類のスイッチが混在していても案外違和感なく使える模様です。ガスケットマウントが衝撃を吸収してどこでも安定した打鍵が可能で、文字入力用の高級なキーボードのようにカタコト押していける体験が優れています。
○磁気スイッチはもっと欲しい。ロジクールが送る唯一無二のプロダクト
ここまで「G512 X 75」について見てきた本記事。日本語配列ながらテンキーレスよりコンパクトな75キー仕様、さらにガスケットマウントを備えながら磁気スイッチとメカニカルスイッチの両方をサポートし、大光量のド派手なイルミネーションを搭載して個性も抜群です。個人的には奥行きが狭められてスリムな印象になったことも、従来製品と比較して大幅にデザイン性が改善された改良点だと感じます。
ただ、カスタマイズ性はともかく磁気スイッチが9個しかないのがどうにも引っ掛かります。カスタマイズがとにかく志向されていることは納得しましたが、なんなら最初から全部磁気スイッチでもいいと思います。
G512 X 75は6月11日発売を予定しており、G512 X 75が32,780円、G512 X 98が36,080円。別売りのパームレストは7月16日に発売予定で、Palmrest 75が6,490円、Palmrest 98が7,480円です。











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