28日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:イベント控えた米国同様、こう着感の強い相場展開
■ファナック、22/3営業利益 31.9%増の1484億円を見込む
■前場の注目材料:トヨタトヨタなど5社、車載通信機を共通化

■イベント控えた米国同様、こう着感の強い相場展開

28日の日本株市場は、引き続きこう着感の強い相場展開になりそうだ。
27日の米国市場はNYダウが3ドル高と小幅に上昇する一方で、ナスダックは小幅に下落している。バイデン大統領が今週予定している議会演説でインフラ・社会保障に加え法人税、所得税などの税率引き上げの詳細が発表される見込みであるため、警戒感から売り優勢の展開。その後発表された4月の消費者信頼感指数がパンデミック以前の水準を回復したため、回復期待から買われる場面も見られた。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)が開催している連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を明日に控えて様子見気配も強い。シカゴ日経225先物清算値は大阪比65円高の29055円。円相場は1ドル108円70銭台で推移している。


シカゴ先物にサヤ寄せする形からやや買い先行の展開になりそうだが、米国同様、こう着感の強い相場展開のなか、29000円を支持線とした狭いレンジ内での取引になりそうだ。また、米国では主要ハイテク株の決算発表が本格化しているが、市場反応は限られているようである。日本においてもファナック、アドバンテストなどの市場反応に注目が集まりやすいところであるが、相場をけん引するサプライズ感はない。一方で中小型株の決算では比較的上方修正が相次いでいるため、決算を手掛りとした個別対応の流れは強まりやすいだろう。ただし、明日から実質ゴールデンウイークに入るため、積極的な売買は手控えられやすいとみられ、短期的な値幅取り狙いの商いが中心になりやすい。

また、新型コロナの感染者数が増加傾向にあるなか、東京都の感染者数の急増などによっては、売りアルゴが発動する可能性もあるため、ヘッドラインなどには注意を払う必要があるだろう。
日経平均は29000円を固める動きが見込まれる一方で、75日線辺りが抵抗線として意識されており、非常に狭いレンジである。煮詰まり感も意識されてくる可能性もあれりそうだが、出来高の膨れない需給状況のなかでは大きくポジションを傾けていることは考えづらく、売りを仕掛けてくる局面においては、ショートカバー狙いの押し目拾いのスタンスになりそうだ。

■ファナック、22/3営業利益 31.9%増の1484億円を見込む

ファナックが発表した2022年3月期予想は、売上高が前期比19.2%増の8571億円、営業利益は同31.9%増の1484億円を見込んでいる。コンセンサス(1770億円程度)は下回る。あわせて250万株(発行済み株式数の1.3%)の自社株買いを発表している。

■前場の注目材料

・NYダウは上昇(33984.93、+3.36)
・シカゴ日経225先物は上昇(29055、大阪比+65)
・1ドル108円60-70銭
・VIX指数は低下(17.56、-0.08)
・米原油先物は上昇(62.94、+1.03)
・海外コロナワクチン接種の進展
・世界的金融緩和の長期化
・株価急落時の日銀ETF買い

・トヨタトヨタなど5社、車載通信機を共通化
・江崎グリコ70歳雇用、改正法対応、就業延長で活躍促す
・キッコーマン社長に中野氏、社長交代8年ぶり、攻めの経営推進
・野村米アルケゴス関連取引の損失で3100億円計上
・丸紅洋上風力の基礎据え付け着工、来年末運転
三菱商事VBと提携、スマートシティー事業加速、行動データ基盤活用
・トヨタ自動運転部門を買収、米リフトから「レベル5」取得
スズキ大型2輪「ハヤブサ」、インドで組み立て開始
・日野自EVシャシー開発でイスラエル社と提携
・不二越構造改革を加速、EV・新事業を積極展開
NEC工場5G化を実証、三菱重工工機などと
・デクセリアルズパソコン・車載用途向け反射防止フィルム投入、耐久性40倍超
・AGC原燃材料の自動管理システム、作業、年1000時間削減
・日清紡HDインドネシア社破産手続きへ、樹脂成形品の採算悪化

☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・特になし

<海外>
・10:30 豪・1-3月期消費者物価指数(前年比予想:+1.4%、10-12月期:+0.9%)