レビュー

「イノベーションを起こせ」とよく言われるが、実際にはどうすればいいのだろうか。そもそもイノベーションとは何か。

それは起こせるものなのだろうか。
本書はそんな疑問に答え、イノベーションの理論から実践までを教えてくれる一冊だ。「イノベーション」と聞くと、驚くようなアイデアと行動力を持った“一部の特別な人”の話だと思うかもしれない。しかし本書によれば、“不向きに見える人”でも「機会を与えて経験を積ませれば、イノベーティブな人材に育てられる」と断言する。つまり、誰にでもその素質はあるということだ。
その際のポイントとなるのが「越境」である。越境とは文字通り「ボーダーを越えること」だが、組織においては、自分の今の居場所や担当業務を越えて、別の領域を経験することを指す。「内」と「外」が交わることで創造的なコミュニケーションが生まれ、イノベーションが創出されるという。
本書では特に、組織内でイノベーションを起こすことに主軸を置き、個人の「思いつき」から種を見つけ、それをチームで育み、組織として事業化するまでのプロセスや仕組み、実践法を紹介する。
「革新的」と呼ばれる製品やサービスも、元をたどれば誰かの「思いつき」から始まっている。しかし、それを単なる思いつきで終わらせず、事業化・収益化するまで育てるには、一定の理論や方法が必要だ。豊富な図解とわかりやすい解説で構成された本書は、その入門書としてふさわしい一冊である。

本書の要点

・組織内イノベーションは、個人が思いつき、チームとして磨き、組織として事業化するというプロセスを辿る。
・イノベーションを生み出すには、組織内と組織外のコミュニケーションを取ること、いわゆる「越境」が必要だ。
・「越境」の機会を与えて担当外の業務を経験させることで、「思いつく人材」を育成できる。
・アイディエーションの種は、誰かの困りごとの中に隠されている。
・イノベーションを磨くにはチームが必要だ。メンバーに多様性があり、心理的安全性を担保し、それぞれが自律性を発揮できるチームが望ましい。



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