参院選まっただ中の週末に東京都の小池知事が活発に動いた。土曜、日曜と続けて、各地で接戦を演じている自公候補の応援行脚に繰り出したのだ。
小池知事は12日、東京・銀座で公明新人の川村雄大候補の応援演説に立った。聴衆や行き交う買い物客に「国政、都政で必要な人材」とアピールすると、すぐさま福島県に向かい、伊達市で自民現職の森雅子候補の街頭演説に参加。「女性や子どもの立場で皆さんの生活をサポートしてきた。“妹”森雅子をどうにか国会へ送り出してほしい」と訴えた。
最後の選挙サンデーとなった13日も、小池知事はフル回転。山形・新潟両県で自民候補を応援した。まず山形・鶴岡市内のスーパーの駐車場で、自民新人の大内理加候補の応援演説に立つと、新潟へ移動。JR新潟駅南口で自民新人の元五輪競泳メダリスト・中村真衣候補の応援のため、マイクを握った。
小池知事は7日夜には都内のホテルで開かれた自民新人の鈴木大地候補の決起集会にも参加。11日には自民現職の武見敬三候補の集会にも応援に駆けつけた。
小池知事は都議選直後、先月27日の定例会見で「国政との連携が都にとってもプラス」と、自公候補の支援を示唆していた。
都政で知事与党を形成する自公両党に精いっぱい、恩を売ったわけだが、東京を除けば小池知事が応援に入った選挙区にはある共通点がある。11日の定例会見で「国会の女性の比率は他国と比べると圧倒的に低い。優れた女性を後押ししたい」と宣言した通り、全員が女性候補というだけではない。どの選挙区も対抗馬に、国民民主党が公認候補を擁立していないのだ。
石破首相と玉木代表の双方にパイプ
国民民主の玉木代表は、2017年に小池知事が立ち上げた「希望の党」に参加。以来、2人は蜜月の仲だ。応援行脚にも玉木代表への配慮がにじむが、機を見るに敏な女帝のこと。選挙後の政局をも見据えているに違いない。
「今の情勢では、石破さんが勝敗ラインに掲げた『非改選を含めた自公与党の過半数維持』は困難。衆参ともに少数与党に陥れば、誰も火中の栗を拾いたがらず『石破続投』とも言われています。となると、参院選後は連立の枠組み拡大を巡る政局となり得る。
選挙後は政局の「キーパーソン」気取りで、また小池知事が出しゃばってきそうだ。
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