「この近くに『まっちゃん』というラーメン屋さんがありましてね。これがまたおいしい。
14日も作戦継続だ。参院選の応援演説で全国を飛び回る石破首相。この日午前は秋田・大仙市のホテルに駆けつけ、メモに目を落としながら、会場周辺のラーメン店の名を次々と挙げていった。
作戦は公示日に始まった。石破首相は第一声の場に激戦区・兵庫の神戸市を選び、市内のラーメンチェーン「もっこす」に触れた。続く尼崎駅前では近くの町中華「天遊」を名指し、ソウルフード・あんかけチャンポンの話題に。場所ごとに店名を変える芸だけは細かい。
その後も各地の演説で、ご当地ラーメンや付近の店の名をツラツラと挙げ、ラーメン大好きの庶民派をアピールしている。日米関税交渉を巡り「なめられてたまるか」と吠えた9日の千葉・船橋駅前でも作戦遂行。ご当地のソースラーメンに言及し、「ソース焼きそばをラーメンにしてみようって考えた頭のいい人がいて」と賛辞を送っていた。
「街頭に立つ際は自分で調べたのか、手の甲にはカンペ代わりに地元のラーメン店名のメモがびっしり。間違えないように注意を払っています」(官邸事情通)
■チャーシュー大盛りで大炎上
石破首相は自民党有志の「ラーメン文化振興議員連盟」の会長。
しかし大のラーメン好きを自称するわりには「○○という店があるらしい」「いつか食べてみたい」と大半の店は実食経験ナシ。半可通ムードが漂い、聴衆の反応は常に「ややウケ」だ。メディアもスルーし、石破首相のラーメン演説はほとんど話題になっていない。
それどころか、石破首相は奔走の合間に新潟と山形でラーメンをすすったが、新潟の有名店で頼んだチャーシュー山盛りの一杯と餃子の写真を自身のXに投稿すると「贅沢すんな!」「名店を汚すなよ」などと批判が殺到。炎上する始末である。
各陣営からも「不人気首相の応援はマイナス」との声が上がる。ラーメン大好き石破さん作戦は、ダダすべりだ。
◇ ◇ ◇
参院選で自公の“指定席”だった選挙区で、続々と落選危機に…関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。