「歴史的な節目の年になるだろうなと思う」「楽しい日本を目指したい」


 昨年末の大晦日、フジテレビ系番組に出演した石破首相は、2025年の抱負について、そう語っていた。まさか参院選で歴史的な大惨敗の恐れがあるとは夢にも思っていなかったに違いない。

石破自民にとっては「楽しい」どころか「苦しい」選挙戦だ。


 全国32ある改選定数1の「1人区」で、自民はまったく振るわない。日刊ゲンダイは選挙戦序盤、報道機関や政党の情勢調査などをもとに1人区は自民が「12勝20敗」と予想したが、終盤にかけて状況は一変。改めて終盤情勢を分析したところ、まさかの自民が「3勝29敗」もあり得る見通しになった【別表】。


 自民候補が当選圏内にあるのは、福井、鳥取・島根、山口の3選挙区のみ。さすがに現職総理のお膝元で負ける大失態は免れそうだが、非自民候補に11選挙区で当選圏内に入られている。大接戦となっている残り18選挙区のうち、9選挙区は劣勢に立たされている状況だ。接戦を全て落とせば3勝29敗だ。



支持者離れが止まらない

 比例代表が非拘束名簿式になった01年以降、自民の1人区の最低当選者数は07年の6人。それにすら今回は届くかどうか。


「『保守王国』の富山や石川も勝ち切れるか雲行きが怪しい。富山は衆院1区選出の田畑裕明議員の裏金や、支援企業の従業員らを無断で党員に登録していた問題が尾を引いている。

石川は、鶴保庸介参院議員の能登半島地震を巡る失言がどこまで影響するか読めない」(自民党関係者)


 これでは、石破自民が掲げる「非改選と合わせて自公で過半数」という低すぎる目標をクリアするのはほぼ不可能だ。


「北陸をはじめ、自民が強いとされる四国や九州で苦戦を強いられているのは、ひとえに支持者離れです。自民支持層すらまとめきれておらず、特に全選挙区に候補者を擁立した参政党に票が流れている感がある」(同前)


 石破自民にとって「歴史的な節目」になりそうだ。


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 早くも永田町界隈では、参院選「自公過半数割れ後」の大政局に向けたウワサが…関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。


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