テレビ局に代わり勝手に「情報開示」】


 基本的には「予算削減」だと思います。事件リポーターは基本「1回現場に出動するといくらで、1回スタジオに出演するといくら」ということでギャラが決まっていますが、それを支払うよりは局のアナウンサーだったり、番組ディレクターにリポートさせたほうが安く済む、というか無料ですからね。

あと、「元刑事が現場を歩いて取材・解説」みたいなのも流行してますよね。リポーターのリポートより元刑事が捜査目線で解説したほうが面白い、というのはあるんでしょう。元刑事は文化人扱いなので、リポーターよりギャラ相場が安い、というのもあるかもしれませんね。


 ただ、僕は意外と「事件取材にとって事件リポーターさんは大切な存在だ」と思っています。もちろん元刑事さんの取材は面白いし、それはそれでいいんですが、事件リポーターさんの重要性を僕はニュース番組やワイドショーの現場で身に染みて感じているんです。


 リポーターさんって「いい意味で食べていくために仕事をしている人」という感じがするんですよね。元からワイドショーでリポーターをやりたい! と思っていた人はほとんどいなくて、だいたい俳優とかミュージシャンとかDJとか「元の職業」があって、それなりのご苦労があって、ある程度の年齢になってからリポーターになった人が多いと思います。だから人生経験が豊富で、優しい人が多い。少し「枯れている」感じがあるんです。


 若いディレクター・記者とかアナウンサーって、「現場ですごい取材をして褒められたい」みたいな功名心が強い人ばかりなんで、そういう人ばかりだと取材現場がギスギスする。「他局を出し抜こう」みたいな感じっすかね。でも、リポーターさんは、もちろん他局を出し抜こうとはするんだけど、弱い人たちの気持ちがわかるから、被害者の人たちとか近隣住民に優しかったりします。

「もうみんなこのくらいにしようぜ」とか、現場を仕切ってくれたりもする。僕は正直言って、事件取材に大切なことは、ほとんどベテランリポーターさんから教わったと思ってます。


 局員は人事異動しますし、ディレクターは年をとるとあまり現場に来なくなる。でも事件リポーターは、かなりのお年でも現場に毎日のように行っていますから、いろんなノウハウをテレビマンに教える先生のような役割もしているんです。まあ、もちろん中にはギラギラした性格の悪そうな事件リポーターもいましたけど、だいたいみんないい人なんですよね。だから、もっと事件リポーターが活躍するテレビのほうが、いい内容になる気がするんですよね。


(鎮目博道/テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人)


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