SNSで心の内を明かさないほうが、芸能人としての神秘性を保てるのではないか。ユーチューバーのヒカル(34)が4月20日、自身のYouTubeチャンネルで「タモリさんって全く面白くないと思ってたんですけど。

いまだにわからない」と発言。これが大論争を呼び、伊集院光西野亮廣、立川志らくなどタモリ擁護派が続出。「2ちゃんねる」開設者で元管理人の「ひろゆき」こと西村博之氏も15日までに自身のYouTubeで、「タモリさんの能力は"面白い"じゃなくて"『面白くない』を作らない"なんですよ」と間接的に擁護した。


 擁護派が多いのは、わけがありそうだ。


「タモリさんは若い頃、小田和正や名古屋に毒を吐いていましたが、1990年代以降は何かを否定しなくなった。普通は年を取ると、若者を批判したくなり、老害化する。その真逆の性格だったので、『いいとも!』で育った当時の芸人に支持されているのでしょう。伊集院さんにしても西野さんにしても、あるがままの自分を肯定してくれたタモリに恩を感じているのでは」(芸能記者=以下同)


 どうして、タモリは年を取っても老害にならないのか。


「芸能界デビューのきっかけを作ってくれた漫画家の赤塚不二夫さんから『これでいいのだ』の精神を学んだからでしょう。そして、週5日の生放送でやり直しの利かない『笑っていいとも!』を通して、あるがままを受け入れる精神が強固になったのでは」


■「神秘性」と赤塚不二夫の「これでいいのだ」


 赤塚さんは漫画『天才バカボン』で、主人公バカボンのパパに「これでいいのだ」という決めゼリフを与えた。ありのままを肯定し、現状を受け入れる言葉である。また、今回の騒動に対し、タモリは一言も発していない。

これも、大きな利点だという。


「もしタモリさんがSNSで反論し始めたら、『俺の思っていた自然体のタモさんと違う!』と周囲は引きますよね。SNSをしていないため、古き良き芸能人の神秘性が保たれている。テレビで見ていた『俺たちのタモさん』のイメージのままでいてくれるのです。タモさんが何も言わないから、『タモさんをフォローしなければ』と思う芸人も出てくるのでしょう」


 近年、芸能人はSNSに躍起になり、フォロワー数が人気の指標の1つとされている。しかし、そんな流行に乗らない所もタモリたるゆえんだろう。


「だからといって、タモリさんはSNSも否定しないと思いますよ。根底に『これでいいのだ』の精神が宿っていますからね」


 今一度、2008年の赤塚不二夫の告別式でのタモリの弔辞を振り返る。


《あなたの考えは、すべての出来事、存在をあるがままに前向きに肯定し、受け入れることです。それによって人間は、重苦しい意味の世界から解放され、軽やかになり、また時間は前後関係を絶ちはなたれて、その時その場が異様に明るく感じられます。この考えをあなたは見事にひとことで言い表してます。すなわち、『これでいいのだ』と》


 白紙に目をやりながら、洗練された文章を読み上げた天才・タモリ。

「面白くない」論争に対しても、あるがままの現状を受け入れているだけではないか。


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 タモリの知性はどうやって培われたのか。【関連記事】「タモリと吉永小百合をつなぐ「早稲田二文」まつわる諸説を徹底検証」などもあわせて読みたい。


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