「習近平詣で」の様相だ。米国のトランプ大統領が国賓訪中を終えた4日後、ロシアのプーチン大統領が1泊2日の日程で国賓訪中。

20日、習近平国家主席と8カ月ぶりに対面で首脳会談した。「全面戦略協力の強化」に向けた共同文書に署名するなど、結束を誇示したように見えるものの、同床異夢の雰囲気が漂う。


 今年は「中ロ善隣友好協力条約」調印から25年の節目にあたり、両首脳は条約延長で合意。習近平氏がホストを務める11月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議をめぐっては、プーチン氏が参加を表明し、習近平氏に来年のロシア訪問を招請した。ロシアからモンゴルを通じて中国に天然ガスを運ぶパイプライン「シベリアの力2」の計画も協議したという。


 プーチン氏がこのタイミングで北京へ飛んだ最大の理由は、米中会談についてあれこれ聞くためだ。「米国第一主義」のトランプ氏が米中を「G2」とするのに対し、中ロは「裏G2」にも見えるが、筑波大名誉教授の中村逸郎氏(ロシア政治)はこう言う。


「泥沼化するウクライナ侵攻をめぐり、英フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた習近平氏の『発言』が波紋を広げています。ICC(国際刑事裁判所)に逮捕状を出されているプーチン氏の行動は制約されており、25回目となったこの訪中は今年初の外遊だったのに、大失敗です」


■9月3日に北京でそろい踏みか


 FTは19日配信の電子版で、習近平氏がトランプ氏との会談で「プーチン大統領はウクライナ侵略を後悔するかもしれない」と発言したと報道。中国外務省報道官はその日の記者会見で「事実と異なり、でっち上げだ」と否定した。


「『シベリアの力2』はロシアが猛セールスする3年越しの懸案で、今回も進展はなかったもようです。中国からすれば、買い手のつかないロシア産エネルギーを市場よりも安く仕入れられており、現状維持がベスト。

リスクを取ってパイプラインを引く必要がない。米中ロの関係は1強化した習近平氏がセンターのトライアングル状態。右腕がトランプ氏、左腕がプーチン氏です。対イラン軍事作戦で行き詰まるトランプ氏は、イランに影響力のある中ロの力を借りたい。プーチン氏は米中ロによるウクライナ版『ヤルタ会談』を構想している。9月3日の抗日戦争記念日に3トップが北京で顔を合わせる展開が現実味を帯びています」(中村逸郎氏)


 習近平氏のスローガン「中華民族の偉大なる復興」が着実に近づいている感がある。


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 米ロの中国詣でが続いているが、3人が向いている方向は別々のようで…。関連記事【もっと読む】【さらに読む】などでも詳しく報じている。


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