5月26日(火)、浅草公会堂で松本幸四郎主演「鬼平犯科帳」シリーズのファンイベント「鬼平犯科帳祭」が開催され、密偵役・相模の彦十を尾美としのりが演じることが発表された。
「鬼平犯科帳」は、“鬼平”こと火付盗賊改方長官・長谷川平蔵と盗賊たちとの攻防を描いた池波正太郎原作の人気シリーズ。
ドラマ版初代鬼平・初代松本白鸚を祖父に、1989年から28年間、平蔵を演じた中村吉右衛門を叔父にもつ幸四郎は2024年、第1弾「鬼平犯科帳-本所・桜屋敷」から新たな平蔵を演じている。
身分や肩書にとらわれない親しみやすさと、悪に対しては鬼の厳しさを力強く見せ、火盗改方同心、密偵たちと息の合った長官(おかしら)となってきた。
その中で欠かせない密偵のひとり、元盗賊の相模の彦十は、火野正平が演じていたが、24年11月に急逝。幸四郎も含め、関係者が新たな彦十として白羽の矢を立てたのが、吉右衛門版「鬼平犯科帳」で愛嬌者の火盗改方同心・木村忠吾を演じていた尾美だった。
「オファーをいただいたときは、『まさか』と思いました。『鬼平犯科帳』は、初めての時代劇のレギュラーでしたし、大切な作品です。当時、よくスタッフさんから、『それは侍の歩き方ちゃうで』と注意を受けていました。冗談で『おみ平犯科帳』と言っていたことも思い出します(笑)。(吉右衛門版で)彦十役だった江戸家猫八師匠とは親しくしていただきましたし、(吉右衛門版スペシャルで彦十を演じた)長門裕之さん、もちろん火野さん、素晴らしい先輩方の演技を見ているだけに、僕でよいのかとプレッシャーはすごかった。彦十の最初のワンカット目は覚えていないほどです。でも、撮影所のみなさんに『おかえりなさい』と迎えていただいたのは、うれしかったですね」
尾美の彦十初登場となるシリーズ最新作「本所の銕」では、放蕩無頼の生活を送る若き日の平蔵・長谷川銕三郎(市川染五郎)と彦十の出会いが描かれる。続く「密告」では、火付盗賊改方長官となった平蔵と彦十が、当時、関わりがあった女の悲しい運命を知ることになる。
「幸四郎さんの“鬼平”は、颯爽としていて、ふと吉右衛門さんに似ていると思うこともあります。シリアスな場面も多いですが、彦十は、忠吾ともどもちょっと場を温める、つなぎ役のような存在だと思います。脚本の大森寿美男先生の遊び心で忠吾をやっていた僕にしか言えないセリフもあるので、楽しんでいただけたらうれしいです」
最新2作品は特別先行版「鬼平犯科帳-本所の銕/密告」として7月10日(金)からTOHOシネマズ 日比谷ほかで全国ロードショーが決定。“令和の鬼平”をスクリーンでも堪能できる。
(ペリー荻野/時代劇研究家)

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