「調査を行わずとも、改めて適切な予算の配分を徹底させる」──。「道路予算カット」の恫喝発言で簗和生前農相を更迭した後も高市首相は、野党が求める「全省庁調査」の実施を拒否し続けている。
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簗氏が「大幅にカットした」と言い放った予算は、国交省の「社会資本整備総合交付金」。道路や河川、水道など都市整備に関する補助金を自治体に一括交付する制度で、配分は国の裁量が大きい。そのため、政治家の圧力を受けやすいとされ、「大物議員の地元に予算を付けないともめる」(国交省関係者)との声が聞こえるほどだ。
日刊ゲンダイの既報(8日発行)通り、この予算「確保」を人一倍アピールしてきたのが高市首相だ。公式サイトに〈大切な故郷 奈良県のために働いた記録〉と題し、2014年12月から今年1月にかけて計335回も問題の交付金を「確保」した実績を列挙。地元自治体への「利益誘導」を誇らしげに自慢している。
首相就任から初の予算編成を経て、高市首相の地元・奈良の各自治体に配分された今年度の社会資本整備総合交付金は、約33億1117万円。この額は地方負担や民間投資などを除き、国が直接交付した数字(国費ベース)で、昨年度の約26億3499万円から約25.7%もの大幅アップ。
335回の利益誘導自慢に倍々ゲーム続出
具体的にはどの自治体の、どんな事業に交付金が「箇所付け」されたのか。今年度の細目(国費ベース)を検証してみると──。
▼大和郡山市「総合交通戦略推進事業」(近鉄郡山駅周辺の再開発)が前年度3860万円から2億4100万円に約6.24倍増
▼同市「第3次・公共下水道整備」が前年度6090万円から1億5400万円に約2.53倍増
▼香芝市「誰もが輝く多彩なまち カラフルかしば を実現する下水道整備」(第2次)が前年度1億1529万円から1億6506万円に約1.43倍増
▼田原本町「第5次田原本町における快適で活力ある暮らしの実現」が前年度875万円から1350万円に約1.54倍増
国の交付額が倍々ゲームで増えているのは、そろって高市の選挙区「衆院奈良2区」に属する自治体の事業ばかり。いずれも複数年度にまたがる計画で、高市首相は公式サイトに各自治体の「ご要望に対応した件」として「予算の確保」を自らの実績に並べている。
奈良2区の大票田・大和郡山市の担当者は日刊ゲンダイの取材に「市として高市事務所に陳情したとの話は聞きません」(駅周辺まちづくり推進課)と答えたが、首相就任の「ご祝儀」感の漂う箇所付けではないか。
いずれにしても恣意的な予算配分の疑いが残る以上、簗氏を「切って終わり」は許されない。
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