マレーシアに本部を置く格安航空会社(LCC)最大手エアアジア・グループが、日本路線を含むアジア全域で大規模な運航停止や路線網の縮小に踏み切ることが26日、分かった。中東情勢の緊迫化に伴う燃料価格の急騰に加え、機材の老朽化によるサービス低下が背景にある。
成田―マニラ線も5月末から約4カ月間にわたり全便欠航する見通しで、夏休みの旅行客への影響は避けられない情勢だ。

その他の写真:エアアジア・フィリピンCA

 成田便は4カ月間全休

 グループ傘下のエアアジア・フィリピンによると、成田―マニラ線は当初の計画を前倒しし、5月31日から9月30日まで全便を運休する。現在は1日1往復を運航しているが、計123往復が対象となる。沖縄(那覇)―香港線も5月7日から運休する予定だ。

 背景には、ホルムズ海峡の封鎖懸念に伴う原油市場の混乱がある。航空燃料価格は1バレル=198ドルを超え、短期間で約2倍に急騰。運航コストの大部分を燃料費が占めるLCCにとって、現在の価格水準での維持は極めて困難と判断した。

 燃料高騰

 深刻なのはコスト増だけではない。同グループを巡っては、競合他社に比べて遅延が常態化し、定時運航率の低さが課題となっていた。さらにエアアジア・フィリピンでは機材の老朽化が進み、座席の劣化などから利用者離れが加速。こうしたサービス面での課題と急激なコスト増が、経営の重荷となった格好だ。

 アジア全域で網の目縮小

 運休の動きはグループ全体に波及している。
タイ・エアアジアはバンコク発の上海線や西安線を5月から運休。インドネシア・エアアジアもバリ発着便を中心に国内・国際計5路線を順次停止する。マレーシアの本体でも、豪州ダーウィン線やインド路線の整理が進められている。

 グループは予約客に対し、全額返金や2年間有効なクレジットへの払い戻しなどで対応する方針だ。ただ、LCCの低運賃モデルが岐路に立たされる中、10月以降の運航再開後も集客には不透明感が漂っている。
【編集:af】
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