フィリピンのマルコス大統領は2026年7月16日、世界的な原油価格の高騰を受け、国民生活を守るため大規模な現金給付策を発表した。フィリピン国営通信(PNA)によれば、支援対象は低所得層を中心とする約750万世帯、総勢約3750万人に及ぶ見通しである。
新プログラムは「UPLIFT」と名付けられ、生活必需品購入費を補う目的で政府が直接現金を支給する仕組みだ。

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 大統領は演説で「国際情勢の影響で原油価格が不安定化し、食料や交通費など生活直結のコストが上昇している」と強調。輸入依存型の経済構造を持つフィリピンでは、原油高がガソリン代のみならず物流費を押し上げ、米や野菜など食品価格の高騰を招いている。大統領は「物価高に苦しむ世帯を放置できない」と述べ、迅速な介入の必要性を訴えた。

 「UPLIFT」は既存の社会福祉支援を強化・統合したもので、困窮世帯に月々の現金を直接給付する。電子マネーや銀行口座を活用し、手続き簡素化と迅速な給付を目指す。さらにPNAによれば、教育や健康維持など家庭の自立を促す条件が付帯し、一時的救済にとどまらず長期的な生活改善を狙う。対象者は、社会福祉省(DSWD)の「4Ps(Pantawid Pamilyang Pilipino Program)」に登録済みの貧困世帯、食料不足対策「Walang Gutom Program」参加世帯、コミュニティ調査(CBMS)で貧困・準貧困と認定された世帯、さらに社会保障制度(SSS)で確認された低所得労働者とその家族である。日本の「住民税非課税世帯」に相当する層が中心といえる。

 背景には中東情勢などによる世界的なエネルギー供給不安がある。原油価格の乱高下は今後も続く見通しで、政府は緊急給付と並行してエネルギー政策転換を急ぐ方針だ。ただし直近の生活苦を緩和するには直接的な経済支援が不可欠と判断した。


 発表を受け、物価高に悩む国民からは安堵の声が広がる。PNAの記事でも、教育費や食費補填への期待が紹介された。一方で多額の予算を要する点から財政への影響を懸念する声もある。政府は予備費や経済運営の効率化で資金を捻出し、財政バランスを維持できると説明している。

 マルコス大統領は「これは国民に対する政府の責務だ」と述べ、今後も経済動向を注視し必要に応じ追加措置を検討する姿勢を示した。物価高という身近な脅威に対し、政府がいかに実効性ある支援を届けられるか、国民の厳しい視線が注がれている。
【編集:Eula】
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