格ゲー史に名を残した「ペット・ショップ」の誕生秘話
そのやりとりが見られるのは、5月18日に投稿された「【クソキャラ列伝番外編】ペットショップ編を見た "元開発" の尾畑さんが語るジョジョ3部ゲー制作秘話!」という動画。「株式会社バイキング」代表取締役であり、当時の開発スタッフでもある尾畑心一朗さんが、どぐらさんと対談を行いました。
そこで何より盛り上がったのが、『未来への遺産』に登場するキャラクター「ペット・ショップ」についての話題。格闘ゲーム好きの間ではもはや常識ですが、ペット・ショップは“ぶっ壊れ”と言われるほどの強キャラとしてお馴染み。動画の中では、なぜそうした性能に至ったのか、詳しい経緯が説明されています。
尾畑さん曰く、元々ペット・ショップはアーケード版ではなく、家庭で遊ぶPS版のために作っていたキャラクターだったため、操作感を重視していたそう。対戦ゲームとしてのバランスには、そこまでこだわっていませんでした。
ただ、続編の『ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産』を出す際にとある問題が生じることに。なんと他のキャラクターが強すぎるため、PS版のペット・ショップでは太刀打ちできない状態だったようです。
そこで格闘ゲームの一員としてバランスをとるために、さまざまな調整が加わったのですが、「やれることをガンガンやった」結果、強すぎるキャラクターが爆誕。尾畑さんは「一言でいうと、やりすぎたんです」と振り返り、どぐらさんの爆笑を誘っていました。
ひしひしと伝わってくる原作愛
動画内では、他にもさまざまな裏話が語られていますが、注目すべきは“凄み”すら感じる原作愛です。
途中から開発に参加した尾畑さんは、周囲のこだわりに触れ、「そこまでするの!?」と驚いたそうですが、スタッフ間では「それが当然」という雰囲気だったといいます。
その一方で、開発スタッフは同作を格闘ゲームとして成立させることも忘れてはいませんでした。原作には「スタンドはスタンドでしか倒せない」という設定が存在しますが、格闘ゲームとしての遊びやすさを優先し、スタンドにも本体の攻撃が当たるようにしたとのこと。
今になって明かされた開発秘話の数々に、同作のファンたちも感銘を受けたよう。ネット上では、「ペットショップが何故あんなに強かったのか、理由がわかってスッキリした」「当時の製作陣に話聞けるとか、これジョジョファンにとって最高の動画でしょ」「一流の原作ゲーム化がどうやって成されたか、制作陣のこだわりに触れて感動した」と大きな反響が上がっています。
原作をリスペクトした上で、後世に残るほどの名作ゲームを生んだスタッフたち。その誇り高き精神は、やはり「ジョジョの奇妙な冒険」から学んだものなのでしょうか…。