というのは、Tencentが提供しているSNSアプリ「WeChat」が、次期iPhoneでは使用できなくなる可能性があるとされているからです。中国国内のゲームは、WeChatとアカウントを連携しているゲームが少なからずあり、利用ができなくなると新たに別のSNSを連携させなければなりません。本人確認の手続きが多いため、面倒と感じるユーザーもいるのでしょう。
中国メディア・毎日経済新聞は、「WeChat経由で開発者が外部の支払いシステムを活用し、Apple税を回避していることにAppleが不満を持っている」と報じつつ、現在AppleとTencentの間には手数料に関連した交渉が進められているとも報じました。
これらの交渉が実際に行われているのかはさておき、“Apple税”と呼ばれる割高な手数料問題への不満は、開発者だけではなくゲーマーのアプリ内課金に対しても同じことが言えます。例えば、HoYoverseの『原神』は日本国内でも、iPhoneから課金するよりwebページから課金した方がお得。利用するユーザーは多いはずですが、Appleはこれを黙認しています。今後もこうしたApple税回避の動きが、あの手この手で練られていくに違いないと思っています。
※本稿では、システム上の関係で簡体字/繁体字で表記すべき部分も異体字に置換している場合があります。
◆『リメメント』
韓国のスタートアップ企業であるBlackstorm Companyが、2023年7月26日に発表した『プロジェクトNB』の正式名称が、先日各韓国ゲームメディアを通して発表されました。その名も『リメメント』。同作は「Unreal Engine 5」を用いて開発されているオープンワールドRPGです。
Blackstorm Companyは、『妖怪ウォッチ メダルウォーズ』『サマナーズウォー』『マーベル・フューチャーレボリューション』などの開発に携わったメンバーたちで構成されるスタートアップ企業。そんな彼らが開発している『リメメント』は、「JRPG」を意識して制作されたモバイル向けタイトルだとされています。
INVEN、THIS IS GAME、GameMecaら複数の韓国メディアが合同で行った開発者インタビューによると、グローバル展開が目標であり、現在は70%の開発進捗となっています。同じJRPGライクなゲームでも、『崩壊:スターレイル』とは異なり、シームレスな体験を売りにしている様子。
また、『崩壊:スターレイル』とのジャンル的類似性は認めつつも、本作が目指しているのはより“JRPGの源流に近い姿”としているようです。現在、Blackstorm Companyの公式YouTubeチャンネルでは、日本語字幕付きのPVが公開中。おそらく日本市場への展開も視野に入れていると思われます。韓国ゲーム企業の新しい挑戦に期待が高まります。
◆『THE RAGNAROK』
「ラグナロク」シリーズの最新作となる『ラグナロクX』が、9月3日から日本国内でも事前登録を開始しました。しかし、シリーズ発祥の地である韓国では、9月9日に「ラグナロク」シリーズの最新作『THE RAGNAROK』が配信となります。
『ラグナロクX』が、3DグラフィックのMMORPGなのに対し、こちらはキャラクターデザインからゲーム内のグラフィックに至るまで、かつて人気を博した『ラグナロクオンライン』に寄せているクラシックなスタイルのようです。
現在、ガンホーから複数の「ラグナロク」シリーズが登場していますが、そのいずれもがMMORPGのため、IPとしてもジャンルとしても正直飽和状態なのではないかと感じるのが率直なところです。
それでも、いずれのタイトルが配信されてからそれなりに長く続いているのも事実。コアなファンがそれぞれの「ラグナロク」作品に分散しているのか、それとも同時並行的に遊んでいるのか、実態は未知数ですが、今後も新たな「ラグナロク」作品が登場する可能性が出てきました。
◆『超時空跑跑』
ポップな色合いのキービジュアルが目を引くのは、9月6日にbilibiliとTapTapで事前登録開始となった新作横スクロールアクション『超時空跑跑』です。
ゲームを開発している杭州彈指宇宙科技は、現在本作とほぼ同時並行的に開発中のローグライトアクションRPG『無盡夢回』があります。こちらはTapTapで69万人、bilibiliで47万人の事前登録者数を誇る注目作の1つ。同社にとってもう1本の新作ゲームがラインナップされることになりました。
『超時空跑跑』も『無盡夢回』と同様、かなり独特の雰囲気を持った作品であることがわかります。各プラットフォームにおける公式ページの紹介と、現在公開されたばかりのPVを見るに、横スクロールアクション+サンドボックスなゲーム性のようで、現時点ではあまりイメージが湧きません。
自由度の高いサンドボックスと、ステージがあってボス戦までの道のりが概ね決まっている横スクロールアクション。一見すると相反するジャンルのように思えます。杭州彈指宇宙科技が、どのようにこれらの要素をミックスさせたのか、詳細が気になるところです。