岸田新内閣では、初入閣が20人中13人と、6割超を占めた。最年長は77歳、最年少が44歳。
だが、安倍元首相の実弟・岸信夫防衛相が留任したほか、麻生太郎副総裁の義弟・鈴木俊一財務・金融相が、義兄と入れ代わりで就任するなど、相変わらず世襲議員が内閣のほぼ半数を占めている。
さらに、“顔と名前が一致しない小粒が多すぎる”といった声も少なくない。そこで、本誌は取材をもとに、岸田首相を含む新閣僚21人のプロフィールを紹介。
【総理】岸田文雄(64)/衆院広島1区、当選9回
あだ名は“キッシー”。人柄は温厚でマジメで、政界きっての酒豪として有名だが、発信力不足との指摘も。外相を4年半務めた。
【総務】金子恭之(60)※初/衆院熊本4区、当選7回
無所属を経て自民党入り、当選7回で初入閣の苦労人。水俣病やハンセン病などの問題に取り組んできた。趣味はウオーキング。
【財務・金融】鈴木俊一(68)/衆院岩手2区、当選9回
父は鈴木善幸元首相、義兄は麻生前財務相という政界のサラブレッド。温和な人柄で趣味は料理。
【外務】茂木敏充(66)/衆院栃木5区、当選9回
英語が堪能。趣味は海外ドラマの観賞で、ワインに詳しい。“タフネゴシエーター”として、安倍政権で経産相などを歴任。
【法務】古川禎久(56)※初/衆院宮崎3区、当選6回
東大法学部卒。代議士になる前、焼き鳥店を営んでいた。郵政民営化に反対し、自民党を一時離党。総裁選では河野候補を応援。
【文部科学】末松信介(65)※初/参院兵庫、当選3回
座右の銘は「あるがまま」。兵庫県議を20年務め、国政に進出。参議院のバリアフリー化を議員運営委員長として推進した。
【厚生労働】後藤茂之(65)※初/衆院長野4区、当選6回
大蔵省出身。
【農林水産】金子原二郎(77)※初/参院長崎、当選2回(衆院当選5回)
長崎県議→衆院議員→長崎県知事→参院議員と、46年の長いキャリアを持つ。好きな女優は栗原小巻。父の岩三氏も元農水相。
【経済産業】萩生田光一(58)/衆院東京24区、当選5回
八王子市議、東京都議を経て衆院議員となった「たたきあげ」。安倍元首相の側近で、加計学園の問題では “キーマン”といわれる。
【国土交通】斉藤鉄夫(69)/衆院比例中国ブロック、当選9回
名前のごとく、自他ともに認める大の鉄道マニア。愛読書は時刻表。自民党と連立を組む公明党からの入閣で、元環境相。
【環境】山口 壯(67)※初/衆院兵庫12区、当選6回
元外交官。民主党の期待の若手だった。
【防衛】岸 信夫(62)/衆院山口2区、当選3回(参院当選2回)
安倍元首相の実弟。実父は安倍晋太郎元外相、祖父は岸信介元首相、大叔父は佐藤栄作元首相。母方の伯父に養子入りし岸姓に。
【官房・拉致問題】松野博一(59)/衆院千葉3区、当選7回
松下政経塾出身。酒豪で交友関係が広く、永田町では“いちばん人柄のいい政治家”という評判も。これまでに文科相などを歴任。
【復興・沖縄・北方】西銘恒三郎(67)※初/衆院沖縄4区、当選5回
父親は元沖縄県知事。県議を経て’03年に初当選。初入閣を果たしたが、“ガールズスナック”への政治活動費の支出が報じられた。
【国家公安】二之湯智(77)※初/参院京都、当選3回
京都市議を17年務め、全国市議会議長会の会長も経験。’04年に参院議員に。来年に“引退”予定で、“思い出作り入閣”と指摘も。
【少子化・地方創生】野田聖子(61)/衆院岐阜1区、当選9回
今回の総裁選では岸田首相と戦う。森友問題の再調査にも言及し、3Aとの距離も見せた。「夫は元暴力団員」との報道が出た。
【経済再生】山際大志郎(53)※初/衆院神奈川18区、当選5回
獣医師。東大大学院時代にクジラを研究。捕鯨問題についての著書も。自民党神奈川県連の公募を経て政界入り。甘利氏に近い。
【デジタル・行政改革】牧島かれん(44)※初/衆院神奈川17区、当選3回
わな猟の狩猟免許を持つ。
【経済安全保障】小林鷹之(46)※初/衆院千葉2区、当選3回
身長186センチ。岸田首相の母校・開成高校を卒業し、東大を経て、大蔵省に。甘利氏の右腕といわれる。趣味はマラソン。
【ワクチン・五輪】堀内詔子(55)※初/衆院山梨2区、当選3回
夫は富士急行社長、義父は堀内光雄元通産相。親類に大久保利通や吉田茂などがおり、天皇陛下の“お妃候補”と報じられたことも。
【万博・消費者】若宮健嗣(60)※初/衆院東京5区、当選4回
セゾングループの代表だった堤清二氏の秘書を6年務め、その後政界入り。外交、安全保障の分野に精通。趣味は森林浴。
「組閣では、各派閥から順送りの名簿が作られて、基本的にそこから閣僚を選んでいきます。