安倍晋三元首相(享年67)の銃撃事件からまもなく2カ月。事件を機に、世間から注目を集めることとなった統一教会(現在は世界平和統一家庭連合)。

昭和の末から霊感商法や多額の献金が社会問題となっていたが、現在も被害を訴える声は後を絶たず、“2世信者”による告発も相次いでいる。

加えて、統一教会と政治家の癒着も問題視されている。8月10日に発足した岸田改造内閣でも政務三役(大臣、副大臣、政務官)78人中、統一教会と接触があった議員は35人にも上った。

そんな“統一教会問題”は連日ワイドショーでも取り上げられ、芸能人たちからも厳しい声が上がっている。

8月14日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)に出演した泉谷しげる(74)は、報道の過熱を懸念した社会学者の古市憲寿氏(37)に真っ向から反論。「ヒートアップしたほうがいいのよ。しないとだめよ。今回は騒ぐべきだ」と力説。視聴者からは、《泉谷さんに同意します》《よくぞ言った》と賛同の声が。

8月16日放送の『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)に出演した梅沢富美男(71)も猛批判した1人。高市早苗経済安全保障担当大臣(61)が“統一教会と関係の深い雑誌とは知らずにインタビューを受けた”と釈明したことについて、「本当にこの人たちは不思議な人で、国民も記者もバカだと思ってしゃべってるんでしょうね。自分の言っていることが正当だと思ってるんでしょう」とピシャリ。

梅沢の意見にも、視聴者から《スカッとします》《梅沢さんの言う通り》と共感の声が上がっていた。

太田光、パックンは炎上する事態に……

いっぽうで、統一教会や教団と関係を持った政治家を“結果的に擁護している”と批判を浴びたのが“インテリ芸人”たちだ。

サンデージャポン』(TBS系)のMCを務める爆笑問題の太田光(57)は、8月14日の放送回でマスコミの報道姿勢にこう警鐘を鳴らした。

「このきっかけがテロであったということを、マスコミはもうちょっと自覚しないと。要するにテロが効果的だっていう風に、おそらく今潜在的に社会に不満を持っている人たちはこの動きを見てますよ」

翌週21日の放送回では、「いま統一教会をいわゆる悪いカルトだという風に認定はできていない状態だから、その辺の議論も注意深くやんないと難しいですよね」とコメント。そして28日の放送回では、「統一教会は反社だって確定するんですかって僕は岸田さんに聞きたい。だって今の段階では宗教法人として認められた宗教なわけで、『関係をどんどん調査していきます』っていうのは、まるで暴力団の関係と同じですよね」と持論を展開したのだった。

そして、ハーバード大学比較宗教学部の卒業生としても知られる“パックン”ことパトリック・ハーラン(51)も、9月4日放送の『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)での主張が物議を醸した。

番組内で「僕は正直、統一教会問題はもういいんじゃないかなって思うんですよ」「今までの接点を持った議員さんを責めないで、(これからの)対策はどうしましょうかという総論になっていれば、僕はぜひこの議論を進めて頂きたいと思う」などと発言し、ネット上で《被害者がいるのに》《他人事》などと批判が相次ぐ事態に。

パックンは“炎上”を受けて、翌5日に出演した『Abema Prime』(ABEMA)で「僕は総論で議論してほしいと言っているだけですよね。責任追及も大事ですし、被害者に思いやりが必要だと思うんですよ。でも、再発防止のためには、総論でルール作りをしようよ、という話をしただけなんです」と釈明。

さらに「Newsweek日本版」が9月6日に配信したコラムでも、《僕は悪徳教団が大嫌いだ。人をだましてはいけない。信仰や不安、孤独感などを利用して商売することを迷わず非難したいし、立場のある方にもそう願いたい》とカルト宗教に対しても釘を刺していた。

有名人の間でも統一教会問題についての捉え方は千差万別のようだ。

編集部おすすめ