東北大学大学院から驚きの研究結果が。なんとコロナに漢方が効くというのだ。

そこで今回は漢方に詳しい医師におすすめの飲み方を教えてもらった。自宅療養に備え、早速チェックしよう!

「東北大学大学院の研究チームなどが、新型コロナウイルスの患者962人のデータを解析したところ、漢方薬の葛根湯と小柴胡湯加桔梗石膏を1日3回、発症から4日以内に服用した患者は、通常治療グループの患者より回復が早く、呼吸不全になるリスクを下げたという結果を発表しました」(医療ジャーナリスト)

『新型コロナと速効!漢方』(青春出版社)などの著書もある、日高徳洲会病院院長の井齋偉矢さんが語る。

「当院でもコロナ外来をしており、漢方薬を処方しています。今回東北大学大学院で研究された漢方薬の組み合わせは、主に第6波までのデルタ株のときに有効でした。オミクロン株に対しても、症状別に漢方薬を組み合わせています」

だが、漢方薬に関しては“西洋薬より効き目が弱く、速効性がないのでは”と偏見を持つ人も多い。

「漢方薬は1千800年前から、歴史的に繰り返されてきた感染症を抑え込むために研究されてきたもので、速効性は十分にあります。

にもかかわらず、副作用の起こる頻度は、西洋薬に比べ格段に少ない。長期的に飲み続ける場合は、3カ月に1回ほどの血液検査は必要になりますが、コロナの場合、数日から1週間ほどの服用期間なので、副作用の心配はほとんど不要です」

もちろん、西洋薬と同様、医療機関で処方されれば保険適用されるので、処方をお願いするのもよいだろう。かかりつけ医が漢方を処方していないなど、頼みにくい場合は「漢方のお医者さん探し」などのサイトで、医療機関を探して受診するとよい。

「処方箋がなくても、ドラッグストアやネットでも市販されています。保険は利きませんが、それでも、多くが500~600円ほど。

西洋薬との併用は、ほとんどのケースで可能ですが、ごく一部、禁忌になっている組み合わせがあるので、服用中の薬がある場合は、医師や薬剤師に相談しておきましょう」

今回は、そんな漢方薬の“症状別処方例”をレクチャーしてもらった。

【1】家族が濃厚接触者に

<処方例>

ツムラ補中益気湯
1回2.5g→1日3回×7日分

「補中益気湯は、体の免疫力を上げてくれる漢方薬。病原体の入口となる消化管の粘膜にある樹状細胞を活性化し、センサー感度を高めます。病原体が入ったときに、効率よく排除してくれるため、予防にも最適。

家族に濃厚接触者がいれば、予防の意味も含めて家族全員で服用するといいでしょう。ただし、予防の場合は保険が適用されません。また、無症状だけれど陽性だったという人も、補中益気湯で免疫力を高めておくとよいでしょう」

【2】汗をかかない発熱

<処方例>

ツムラ麻黄湯+ツムラ越婢加朮湯
各1回2.5g→1、2回分

「発熱していても汗をかいていない場合はこの組み合わせがよいでしょう。

もともと麻黄湯は、単独では風邪薬として使用します。オミクロンに感染した小児にはこれだけで十分効果的ですが、大人の場合は、さらに麻黄湯の効果を高める越婢加朮湯をプラス。発汗するまで、1~2時間おきに服用します。もし1回で発汗したらそれで終了です」

【3】汗をかく発熱

<処方例>

ツムラ桂枝湯+ツムラ麻杏甘石湯
各1回2.5g→3回分

「汗をかき始めたら、すでに免疫機能が働き始めている証拠。その免疫力を、さらに高めるための処方例です。2~3時間おきに3回ほど服用すると、すっきりと体から熱が抜けるような効果が期待できます。

インフルエンザで同様の症状が起きた場合も効果的です」

【4】倦怠感がひどい

<処方例>

ツムラ補中益気湯
1回2.5g→1日3回×7日分

↓症状が改善しない場合は

ツムラ人参養栄湯
1回3g→1日3回×7日分

「補中益気湯は、慢性疲労症候群にも効能があるといわれ、倦怠感にはもっともポピュラーな処方。服用を始めて2~3日たっても効果を感じられない場合は、人参養栄湯に切り替えましょう」

【5】湿った咳

<処方例>

ツムラ竹筎温胆湯+ツムラ滋陰降火湯
各1回2.5g→1日4回(朝昼夜と寝る前) ×7日分

「痰が絡む湿った咳は、気管支炎の始まりなど、下気道の炎症が疑われます。竹筎温胆湯は痰が絡んだ咳に効果的で、インフルエンザにも対処可能。滋陰降火湯は軽い乾燥した上気道の咳ばかりでなく、その少し奥の炎症にも効果的です。症状が治ったら、途中でも飲み終わりになります」

【6】軽い咳が続く

<処方例>

〔東洋〕桂枝加厚朴杏仁湯
1回2.5g→1日3回×7日分

「西洋薬の咳止め薬は、単に咳を止めるだけで、咳によって排出されるべき痰が体内に残ってしまうという弱点があります。その点、漢方薬が持っている抗炎症作用は、肺や気管支の炎症をピンポイントで鎮めてくれます。

通常、2~3日で改善が見込まれ、治ったら飲み終わりです」

【7】治ってきたけど少し症状が残っている

<処方例>

〔東洋〕桂麻各半湯
1回1.5g→1日3回 +ツムラ補中益気湯
1回2.5g→1日3回×2、3日分

「“ほぼ治っているけれど、まだ少し症状が残っている”“症状は抜けているけど、念のために最後のダメ押しをしたい”そんな場合は、この2種類を同時に服用。いずれも2~3日分で、元気になったら飲み終わりとなります」

ここで紹介したのは医療用漢方の服用例だが、もちろん市販品でも問題ない。また、症状が複数ある場合は、処方例をもとに漢方を組み合わせて服用してもよい。逆に、漢方を組み合わせる処方で片方しか手に入らない場合でも、効果が期待できるものもあるという。ただし、いずれの場合も医師や薬剤師の指示にしたがうこと。

漢方薬の正しい知識を身につけ、第8波を乗り切ろう。